あれから1年が経った…X内部で起きている広告主との関係の変化 Vol.1

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※この記事は、ブランディングを担う次世代リーダー向けのメディアDIGIDAY[日本版]の有料サービス「DIGIDAY+」からの転載です。

  • イーロン・マスクはTwitter買収後、広告を停止していた主要広告主のCMOと重要な会談を行い、有害コンテンツへの懸念を訴えるCMOに対し、Twitterから広告を引き上げることでその効果を証明しようと提案したが拒否された。
  • 買収から1年経った現在も、マーケターとマスク氏の間で認識は一致していない。データはヘイトスピーチの増加を示し、セーフティ協議会らはメンバーはマスク氏がセーフティに関心を持っていないと感じ協議会を辞任。
  • 協議会元メンバーらはユーザーからの攻撃の対象となっている。マスク氏の振る舞いは広告主の安全へのコミットメントと相反しており、従業員削減とコミュニケーション不足が広告主との関係悪化につながっている。

イーロン・マスク氏がTwitterを所有するようになってからおよそ2カ月が過ぎたころ、億万長者であり業界の重要人物でもある同氏はあるTwitterの主要広告主のCMOと極めて重要な会談を行った。この広告主はマスク氏によるTwitterの買収直後から広告を停止していたため、同氏としてはじっくりと解決策を話し合いたいと考えていたのだ。

マスク氏は熱心に耳を傾け、自身の投稿を含めたTwitter上の有害コンテンツに関するマーケター側の懸念を注意深く汲み取ろうとした。だがマーケターが話し終えて一息ついたところで、マスク氏はまるでTwitterと広告主のあいだに流れていた不協和音を象徴するかのごとき言葉を口にした。

同氏はそのマーケターに、Twitterからすべての広告を引きあげればいいではないか、そうすればTwitterが他のいかなる広告チャネルよりも効果的であるということが証明されるだろう、と提案したのだ。当然ながら、マーケターはきっぱりと断ったが、マスク氏にはその理由を推し量ることはできなかった。

騒動の末にマスク氏がTwitterの所有者におさまってから1年が経過した現在でもなお、このエピソードは、Twitterを利用する上でマーケターたちが直面する難しさを鮮やかに物語っている。現在はXという名称になったこのプラットフォームに対する考え方について、マーケターとマスク氏の認識はいまだに一致していない。

1年前の11月にイーロン・マスクはなんと言っていたのか

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