仕事がつらい、だけど辞められない人へ。専門家からのアドバイス

オフィスに立ち尽くす女性

仕事が嫌いでも、辞められないかもしれない。

Westend61/Getty Images

  • 仕事でストレスと怒りを感じ続けているが、辞めるのは難しいこともある。
  • キャリアの専門家でもある心理学者によると、仕事の好きなところをまとめてみると良いという。
  • 毎日、一歩離れて自分の時間を作ることもおすすめだ。

難しい上司に対応しなければならない、オフィスにいることが苦痛、単純に日々やっていることが好きではない。仕事が嫌いな理由はいろいろある。

ギャラップ(Gallup)のステート・オブ・ザ・グローバル・ワークプレイス:2023レポート(State of the Global Workplace: 2023 Report:世界の労働環境の現状)では、従業員のストレスは2022年、記録的な高さをキープしており、調査対象となった世界中の従業員の44%が調査の前日に職場でストレスを感じた、21%が怒りを露わにしたと述べていることが分かった。

だが、いざという時の蓄えも、代替案もない状態で仕事を辞めることは、清水の舞台から飛び降りるようなものだ。たとえストレスや怒りのせいでデスクを片付けるところまできているとしても。

「仕事は自分の人生の一部分だということを忘れないで」と、デンバーの臨床心理学者で『ACT for Burnout(燃え尽き症候群を受け入れ、付き合っていくためのセラピー)』の著者、デビー・ソレンセン(Debbie Sorensen)はInsiderに語った。

「仕事に長時間費やしているかもしれないけれど、自分の人生のほんの一部分だし、仕事であなたの人となりが決まる訳ではない」

彼女は、たとえ絶望的と感じていたとしても、仕事に対する考え方を変えてみることを勧めている。辞められる状況ではないということであれば、仕事に行くことが少しだけマシになる秘訣を紹介しよう。

まずは、ポジティブな点に注目してみる

単純なことのように思えるかもしれないが、自分の仕事の良いところだけを見るようにしてみよう。ソレンセンによると自問してみると良いという。この仕事を始めた時に何が好きだったか、むしろ大好きだったのではないか、この仕事に応募しようと思ったのはどうしてだったのか、などなど。

「中には、その仕事が自分にとって、または世界にとってなぜ重要なのか、その全体像に気付かされる人もいるかもしれない」とソレンセンは述べた。

「恐らく、その仕事は誰かを助けたり、人々の暮らしをより良くするためのサービスや製品を提供したり、あるいは自分自身や家族のための収入をもたらしていることでしょう」

キャリア・コーチ歴18年のエバンゲリア・ルクレール(Evangelia Leclaire)も、考え方を変えるために自分の仕事の良いところを書き出してみると良いという。

「1日の始まりと終わりに、今の仕事が自分の今と将来をいかに支えているか、振り返ってみるといい」とルクレールは述べた。

「そのことを日記に書いて、自分を個人として社会人として成長させてくれたことに、ハイライトを当ててみる。習得したスキルや成し遂げたことなど、具体的な収穫についてだ」

シンプルに、一歩離れることも忘れずに

仕事に圧倒されそうな時は、休憩中や自由時間に仕事から離れる時間を作ると良いとソレンセンは述べた。

「同僚たちと触れ合い、休憩を取って生活の質が上がることをする。例えば、ちょっと散歩してみたり、クロスワードを解いてみたり、平凡な仕事に少しだけ創造的エネルギーを加えてみたり」とソレンセンは述べた。

「そうしたちょっとした時間で、仕事が楽しめるようになることもある」

このアドバイスは、家で仕事をしている人にも、オフィスで仕事をしている人にも当てはまる。空いている時間は物理的に仕事場から抜け出すことに使って「仕事脳」をオフにしよう。

仕事で心配なことがあれば、いつでも言って良い。ただし、注意が必要

「信頼できる上司や同僚がいるのであれば、サポートしてもらうのも有効」とソレンセンは述べた。

「経験を誰かに話せば、重たい不満を抱えているのはもう自分だけではないように感じられる。互いに支え合うことができる」

だがルクレールによると、誰に愚痴るかは注意しなければならず、不満ばかり言っていないか、気を付けた方が良いという。心配事であっても、自分の成果を交え、成長を望む意思を伝えることで、前向きに表現した方が良い。

「このアプローチで、目標を達成するために進むべき道をはっきりさせることができる。そしてより、仕事に満足できるようになる」とルクレールは述べた。

外部の支えは、大いに役立つ

同じように、家族や友人に愚痴ることにも、一時的に精神浄化作用がある。だが代わりに、自分の状況をうまく処理してくれるプロを頼ってみて欲しい。対処法を持ち合わせたセラピストや、あなたの目標を明確にしてくれるキャリア・コーチなど。

「外部の視点はとても有益だ」とルクレールは述べた。

「指導者からでもプロのコーチからでも良いので、困難に挑むこと、視点を見直すこと、今の仕事に意味を見出すことに役立つ洞察を得るようにしよう」

最後に、ズーム・アウトすればすべてが見えてくる

それでも負のスパイラルに陥っていると思ったら、状況をもっと大きく認識するようソレンセンはアドバイスする。

「自分の考えだけでその仕事を語りつくすことはできないことを自覚して、別の視点がないか確認してみて」とソレンセンは述べた。

「ほとんどの仕事に、楽しい面と嫌な面の両方がある。ネガティブな点ばかりにとらわれず、ズーム・アウトして全体像を見てみると良い」

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