傘下スラック(Slack)経営トップの交代を社内発表したセールスフォース(Salesforce)のマーク・ベニオフ最高経営責任者(CEO)。画像は2023年の年次イベント「ドリームフォース(Dreamforce)」基調講演時の撮影。
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セールスフォース(Salesforce)が来週月曜日、11月13日に傘下スラック(Slack)の最高経営責任者(CEO)を交代させる人事を発表する。
マーク・ベニオフCEOが社内スラックで全従業員向けに投稿した内容から判明した。同投稿はInsider編集部が独自ルートで確認した。
現在スラックの経営トップを務めるリディアニ・ジョーンズ氏は年末までに退社し、出会い系アプリ「バンブル(Bumble)」などを運営する同名企業のCEOに就任する。
ベニオフCEOは上記のスラック投稿でこう書いている。
「リディアニ、セールスフォースの誇る最高経営幹部の一人として、あなたは大きな称賛に値する素晴らしい功績を残しました。もちろん、後に残される私たちはみな(特に私はそうですが)、あなたがセールスフォースを離れることを心から惜しんでいます。
しかし、あなたがここを出て新たに上場企業の経営トップに就任するこの機会がどんなに素晴らしい意味を持つことか、私には分かっています」
ベニオフCEOの涙を誘う惜別の辞はさておき、ジョーンズ氏がCEOに就任してからはまだ1年も経っていない。
ジョーンズ氏は2023年1月(リンクトインの肩書きは前年12月には変更されていたが)、スラックの共同創業者スチュワート・バターフィールド氏の後任としてCEOに就任した。
そのバターフィールド氏も、スラックがセールスフォースと277億ドル(約2兆9000億円、当時)の巨額買収合意に至った2020年1月から、わずか2年足らずで退任を発表するに至った経緯がある。
バターフィールド氏は退任発表時、後任のジョーンズ氏について、次のような最大級の賛辞を送っていた。
「皆さんの誰もが彼女を気に入るでしょうね。実利的で問題解決能力が高く、洞察力に優れ、情熱的で創造的、親切で好奇心旺盛」
「彼女は私たちと同じように、スラックのプロダクトに対するアプローチ、顧客に対するこだわり、独特のカルチャーに深い敬意を抱いています」
バターフィールド氏の後任としてCEO就任以前、ジョーンズ氏は親会社セールスフォースのエグゼクティブバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー(エクスペリエンスクラウド・マーケティングクラウド・コマースクラウド担当)を務めていた。
2019年7月の入社時はシニアバイスプレジデント(プロダクト・コマースクラウド担当)で、それ以前は、ワイヤレススピーカーのソノス(Sonos)でソフトウェアプロダクトマネジメント担当のバイスプレジデントを4年弱、マイクロソフト(Microsoft)でグループプロダクトマネージャーを12年以上務めた。
ジョーンズ氏は1月2日付でバンブルに移籍する予定という。
なお、セールスフォースの広報担当にコメントを求めたが得られなかった。