中東に派遣された2つ目の空母…ドワイト・D・アイゼンハワー空母打撃群の艦船を見てみよう

ジブラルタル海峡を進む空母ドワイト・D・アイゼンハワー打撃群。

ジブラルタル海峡を進む空母ドワイト・D・アイゼンハワー打撃群。

Petty Officer 2nd Class Merissa Daley/DVIDS

  • ドワイト・D・アイゼンハワー空母打撃群が中東に派遣された。
  • 同空母は、ジェラルド・R・フォード空母打撃群とともに共同訓練に参加した。
  • この2隻の空母は、イスラエルとハマスの戦争を悪化させないための抑止力として使われている。

アメリカ海軍最新鋭空母の「ジェラルド・R・フォード」と「ドワイト・D・アイゼンハワー」は、このほど東地中海でデュアルキャリアーオペレーションを行った。

先週、USSドワイト・D・アイゼンハワー空母打撃群は、USSジェラルド・R・フォードとその護衛艦との共同訓練に参加した。そこでは高価値ユニット(HVU)防衛、弾道ミサイル防衛、洋上補給、クロスデッキ飛行作戦、海上警備作戦に焦点を当てた訓練が行われた。

この訓練には、アメリカ海軍が派遣した2隻の空母の打撃群以外にも、イタリア海軍のフリゲート艦であるITSヴィルジニオ・ファサンとITSカルロ・マルゴッティーニの2隻が加わった。この訓練の目的は、同盟国間の統一戦線を示すとともに、危機に迅速かつ果断に対応する能力を示すことだった。

「我々のプレゼンスが、侵略を抑止し、地域全体の安定を促進するという我々のコミットメントを明確に示している」と、アメリカ海軍第6艦隊司令官トーマス・イシー(Thomas Ishee)副提督はプレスリリースで述べた。

2023年10月7日のハマスによる攻撃の後、アメリカ海軍はイスラエルを支援し、紛争のエスカレートを抑止するために、2隻の空母をを東地中海に派遣した。

共同訓練を終えると、アイゼンハワーとその護衛艦は紅海に移動し、フォードは東地中海に残った。

中東に派遣されたアイゼンハワーを中心とする空母打撃群とその戦闘能力について以下に紹介する。


USSドワイト・D・アイゼンハワー

東地中海を航行するUSSジェラルド・R・フォードとUSSドワイト・D・アイゼンハワー。

東地中海を航行するUSSジェラルド・R・フォードとUSSドワイト・D・アイゼンハワー。

Petty Officer 2nd Class Jacob Mattingly/DVIDS

USSドワイト・D・アイゼンハワーは、最新のフォード級の一つ前の設計であるニミッツ級の原子力空母だ。

ドワイト・D・アイゼンハワー空母打撃群は、空母、航空団、誘導ミサイル巡洋艦、誘導ミサイル駆逐艦で構成されている。


USSメイソン

スエズ運河の中間点、エジプトのイスマイリアを航行する駆逐艦USSメイソン。2011年撮影。

スエズ運河の中間点、エジプトのイスマイリアを航行する駆逐艦USSメイソン。2011年撮影。

AP Photo

USSメイソンはアーレイ・バーク級誘導ミサイル駆逐艦で、駆逐艦戦隊22の一員だ。さまざまなミサイルで武装し、空中からの攻撃に対抗したり、水上や陸上のターゲットと交戦したりするなど、打撃群のための攻撃と防御の役割を果たすことができる。

2016年10月、メイソンはイエメンの反体制フーシ派から3度にわたって標的にされたことで知られている。イランの支援を受けたフーシ派は、最近ではイスラエルに向けてミサイルを発射している。そのうち一発はメイソンに向けられたが、撃退に成功したと言われている。


USSグレイブリー

グリーンランド沖での追い越し演習に参加したアーレイ・バーク級誘導ミサイル駆逐艦USSグレイブリー(DDG107)。

グリーンランド沖での追い越し演習に参加中のアーレイ・バーク級誘導ミサイル駆逐艦USSグレイブリー。

Petty Officer 2nd Class Jessica Dowell/DVIDS

USSメイソンと同じく、USSグレイブリーもアーレイ・バーク級誘導ミサイル駆逐艦だ。就役したのは、メイソンが2003年、グレイブリーは2010年だった。

就役後、グレイブリーはギリシャ、シリアの周辺海域や、ペルシャ湾でのさまざまな任務に参加している。これらの海域で、アメリカ海軍はイランの悪質な活動を抑止するため、日常的にパトロールを行っている。


USSフィリピン・シー

USSフィリピン・シー

USSフィリピン・シー

U.S. Navy/AP Photos

USSフィリピン・シーはタイコンデロガ級誘導ミサイル巡洋艦で、大規模な垂直発射システムセルを搭載し、巡航ミサイルや迎撃ミサイルを駆逐艦よりも多く載せることができる。これらの兵器によって、陸上の標的に対するミサイル攻撃や、航空機や飛来するミサイルによる攻撃からの防御が可能となる。また、水上艦艇と戦うこともできる。

アメリカ軍は、2014年にシリア内のイスラム国の拠点を攻撃した際、フィリピン・シーから巡航ミサイルを発射した。


第3空母航空団

USSハリー・S・トルーマンに搭載されたCVW-3の航空機の整備を行う船員。

USSハリー・S・トルーマンに搭載されたCVW-3の航空機の整備を行う船員。

DVIDS

第3空母航空団(CVW-3)は海軍でかなり古い歴史があり、USSドワイト・D・アイゼンハワーなどに搭載されてきた。

CVW-3は、敵機やミサイルの早期警戒、迎撃、破壊を行い、攻撃作戦を立て、制空権を確保することで空母打撃群を支援している。

CVW-3を構成する航空機には、F/A-18E/Fスーパーホーネット、EA-18Gグラウラー、E-2Cホークアイ、MH-60Sシーホークなどがある。

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