イーロン・マスクのニューラリンク「脳チップ埋めこみ試験」に数千人が関心

FDAが承認したニューラリンクの臨床試験に関して、数千人が参加したいという関心を示している、とブルームバーグが報じた。

FDAが承認したニューラリンクの臨床試験に関して、数千人が参加したいという関心を示している、とブルームバーグが報じた。

NurPhoto

  • イーロン・マスクが創業したスタートアップ、ニューラリンクが計画する臨床試験への参加に数千人が関心を示しているとブルームバーグが報じた。
  • ニューラリンクは2023年5月、臨床試験の開始に関してアメリカ食品医薬品局(FDA)の承認を得た。
  • 脳チップを開発するニューラリンクは、「頭蓋骨の中のフィットビット」として機能するデバイスの埋めこみを目指している。

医療機器会社ニューラリンク(Neuralink)が開発する脳インプラントの臨床試験への参加に、数千人が関心を示しているという。ブルームバーグが先ごろ、イーロン・マスク(Elon Musk)の評伝を書いた著者のひとりであるアシュリー・バンス(Ashlee Vance)のリポートとして報じた

バンスによると、マスクが2016年に創業したニューラリンクは、まだ人間の脳にデバイスを埋めこむには至っていないが、2024年に11人、2030年までに2万2000人超で実施することを目指しているという。バンスは、3年間で10回にわたって、ニューラリンクの施設を訪問したとのことだ。

アメリカ食品医薬品局(FDA)は2023年5月、マスクが「頭蓋骨の中のフィットビット」と表現するニューラリンク・デバイスを人の脳に埋めこむ臨床試験の開始を承認した。

ロイターの報道によれば、それに先立つ3月、FDAは安全上の懸念があるとして、ニューラリンクの臨床試験申請を却下していた。安全上の懸念としては、脳チップに接続されたワイヤーが試験参加者の脳内で動きまわるおそれや、脳チップが過熱するおそれなどが含まれる。

ニューラリンクは9月、最初の臨床試験に向けて、参加者の募集を開始した。同社のブログ記事によれば、脊髄損傷や筋萎縮性側索硬化症(ALS)によって四肢が麻痺した人を対象としているという。

同社が最終的に目指しているのは、このデバイスによって、人間と機械の間で「共生」のようなものを生み出し、思考だけを用いたメッセージ送信やゲームプレイを可能にすることだ。だがまずは、神経障害のある人を支援することを目標としている。

2015年に刊行された『イーロン・マスク 未来を創る男(Elon Musk: Tesla, SpaceX, and the Quest for a Fantastic Future)』の著者であるバンスが自身のリポートの中で述べたところによれば、「数千人の患者候補から関心が集まっている」にもかかわらず、ニューラリンクはいまだに、最初の試験参加者を検討している段階だという。試験参加者とはつまり、「手術で頭蓋の一部を取り除き、一連の電極と極細ワイヤーを、大きなロボットによって脳に挿入することをいとわない人」のことだ。

バンスによれば、外科医による頭蓋骨の局部切除に「2時間」ほどを要し、そのあとにロボットが、デバイスとおよそ64本の極細の糸を埋めこむのに25分ほどかかるという。デバイスは、取り除いた頭蓋のかわりに挿入される。糸は極めて細く、幅は人間の毛髪の14分の1だとバンスは述べている。

装置は耳のうしろに位置し、電極が糸で脳に埋めこまれる。

装置は耳のうしろに位置し、電極が脳に埋めこまれる。

Neuralink/YouTube

ニューラリンクは、ブタやサルといった各種の実験動物を対象に、ロボットを用いた埋めこみ手術を155回実施したとバンスは書いている。だがマスクはいつものように、ロボットをもっと速く動かせとしきりにせっつき、人間の介助なしで手術を実施することも求めたという。

ニューラリンクの広報担当者にコメントを求めたが、本稿公開時までに回答は得られなかった。

バンスによればマスクは、脳コンピューター分野の他のスタートアップ企業と競争しなければならない点を強調しているという。たとえば、米シンクロン(Synchron)や、オランダのオンワード・メディカル(Onward Medical)は、すでに人での臨床試験を開始している。

「いまのところ、向こうが先んじている」

2022年7月にシンクロンがアメリカで初めて患者にデバイスを埋めこんだ後、マスクはそう言ったという(また、2021年12月には、オーストラリアでシンクロンのデバイスを埋めこんだ患者のひとりが、思考のみを用いてツイートを送信した世界初の人間になった)。

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