ECサイト作成のBASEが有料プランを「3.3倍」の大幅値上げ。2023年度業績予想は上方修正

料金改定のお知らせ

BASEは同社のECサイトプラットフォーム事業において、店舗側に求める月額有料プランの値上げを発表した。

出典:BASE

ECサイトのプラットフォームを構築する・BASE(ベース)の「値上げ」が加盟店などを中心にネットで話題になっている。

BASEは11月7日の決算会見に合わせて、従来提供していた月額有料プラン「グロースプラン」の値上げを発表した

話題になっているのがその金額で、従来では年間契約だと月額4980円、月間契約だと月額5980円。しかし、2024年1月16日以降は年間契約で月額1万6580円、月間契約で1万9980円と、約3.3倍の大幅値上げとなっている。

BASEは大企業の利用のほか、個人事業主や中小企業がネット販売に進出する際に使うケースも多い。一部の加盟店からはBASEから競合サービスへの乗り換えを検討する声も挙がっている。

BASEが値上げに踏み切った理由

値上げ概要

今回の値上げに関する変更点。

出典:BASE

グロースプランの値上げに踏み切った理由についてBASE広報は「今後の機能を強化していくことも併せて発表した。そうしたところも含めてサステナブルにサービスを提供するための変更になる」とコメント。

BASEが「今後の強化していく」としているものは、以下のような新機能になる。

  • 運営の業務負担を低減するAI機能(12月上旬提供開始予定)
  • 既存の「送料詳細設定App」において、個数、重量などに応じて送料設定が可能になる機能(12月上旬アップデート予定)
  • 海外顧客に商品を販売、発送できる越境EC代行機能(12月下旬提供開始予定)
  • BASEのショップ間で、販売パートナーをマッチングさせる機能(2024年春提供開始予定)
  • 既存の「メンバーシップ App」において、会員ユーザーが貯めたショップ独自のポイントと特典を交換する機能(2024年春アップデート予定)

有料プラン加入のメリットは?

変更後

料金改定後は月商約50万円かどうかがグロースプラン加入の境界線になる。

出典:BASE

一方、BASEは今回値上げとなる「グロースプラン」と別に月額無料の「スタンダードプラン」を提供している。いずれのプランも使える機能は同じで、前述の今後展開する機能も「(スタンダードプランでも)変わらず提供していく方針」だという。

月額課金によって変わるのは「手数料」だ。

月額無料のスタンダードプランは取引ごとに3.6%+40円の決済手数料と3%のサービス利用料が発生する。一方、有料のグロースプランでは都度発生するのは決済手数料のみで比率も2.9%になる。これらの手数料自体は2024年1月16日以降も変わらない。

BASEによると、新料金改定後は月間の売り上げ(月商)が約50万円を超えるような加盟店は、月額料を加味してもグロースプランの方がコストが抑えられる結果になるという。

なお、グロースプラン発表時にBusiness Insider Japanが試算した概算だと、料金改定前は月商16万円程度でトータルコストは抑えられる結果になっていた。

つまり今回、月商16〜50万円台の比較的小さな加盟店にとっては、料金的に「改悪」となってしまうと言える。

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