ホンダの新型プライベートジェット「エシュロン」を見てみよう

ホンダのビジネスジェット機「エシュロン」。

ホンダのビジネスジェット機「エシュロン」。

Honda Aircraft Company

  • ホンダの航空機事業子会社であるホンダ・エアクラフト・カンパニーでは、数百万ドルのビジネスジェットを製造している。
  • 同社はこのほど、最新機の名称が「ホンダジェット・エシュロン」であることを発表した。
  • 以前はホンダジェット2600と呼ばれていたこのジェット機は最大11人乗りで、価格は1000万ドルから1200万ドルと見込まれている。

本田技研工業(ホンダ)は単なる自動車メーカーではない。

ホンダは2006年8月、軽量双発エンジン搭載のプライベートジェットを製造する100%子会社のホンダ・エアクラフト・カンパニー(Honda Aircraft Company)を設立した。

2015年12月に独自のホンダジェットを初めて納入して以来、ホンダジェット・エリート、ホンダジェット・エリートS、ホンダジェット・エリートIIを生産している。

ホンダジェットの人気は高まり、自身もパイロットであり、2019年に同機を購入したトム・クルーズ(Tom Cruise)のような超大物の有名人まで魅了したと、非営利組織の自家用航空機・パイロット協会(AOPA)が報告している。

同社の最新ビジネスジェット機「ホンダジェット・エシュロン」は、現在、大陸横断が可能な唯一の軽量ジェット機として、業界の記録を塗り替えることが期待されている。

以下で、ホンダジェット・エシュロンを見てみよう。


ホンダジェット・エシュロンは当初、ホンダジェット2600として2021年10月のビジネス・エアクラフト・コンベンション年次大会で発表された

ホンダが2021年に発表したホンダジェット2600の完成予想図。

ホンダが2021年に発表したホンダジェット2600の完成予想図。

Honda Aircraft Company

毎年ラスベガスで開催される全米ビジネス航空協会のビジネス・エアクラフト・コンベンション&エキシビション(NBACE)は、ビジネス航空分野の企業が新製品を披露する舞台となっている。

今年のNBACEで、ホンダは未来的な軽量ジェット機に「エシュロン」という名前をつけたことを発表した。


同社はこの飛行機を「軽量ジェット機でできる中型ジェット機の体験」として売り込んでいる

ホンダのビジネスジェット機「エシュロン」。

ホンダのビジネスジェット機「エシュロン」。

Honda Aircraft Company

ホンダによると、エシュロンは従来機よりも大型化され、「通常の用途」においては従来の小型ジェット機よりも約20%、中型機と比較すると40%以上の燃費効率を実現するよう設計されているという。


ホンダは2023年6月にこのジェット機の商業化を発表し、2028年に認証を取得する予定だと述べた

エシュロンの機内は、平均的な小型ジェット機よりも広々としている。

エシュロンの機内は、平均的な小型ジェット機よりも広々としている。

Honda Aircraft Company

ホンダはエリートIIとともにエシュロンの販売を開始する。アビエーション・ウィークによると、オリジナルのホンダジェット2600の2021年の希望小売価格は1000万~1200万ドル(約15億~18億円)だった。最新モデルの価格はまだ発表されていない。エリートIIの価格は700万ドル(約10億円)となっている。


エシュロンが特別なのはその長距離設計であり、アメリカの東海岸から西海岸までノンストップで飛ぶことができる

エシュロンを購入する際、複数のオプションからインテリアを選ぶことができる。

エシュロンを購入する際、複数のオプションからインテリアを選ぶことができる。

Honda Aircraft Company

新型機エシュロンは、大陸横断できる世界初の軽飛行機として設計されたとホンダは述べている。現在就航中のホンダジェット機は、1回の燃料補給で数時間しか飛べない。


エシュロンは、主翼上面にエンジンを配置する「オーバー・ザ・ウィング」の形態で、2基のエンジンを搭載し、時速800km以上で約4800kmを飛行できる

エシュロンの主翼上に搭載されたエンジン(左)と、収納コンパートメント(右)。

エシュロンの主翼上に搭載されたエンジン(左)と収納コンパートメント(右)。

Honda Aircraft Company

ホンダジェットに2基のウィリアムズ FJ44エンジンが搭載されている。主翼上に置く理由はいくつかあるが、ひとつは荷物の収納スペースを最適化するためだ。また、この設計によってジェット機の空気力学的効率が向上し、より速く飛ぶことができるという


つまり、マイアミとシアトル、ロサンゼルスとニュージャージー州テターボロなどの都市間を飛ぶことができる

5人乗り(1人90kg)のエシュロンのルートマップ。

5人乗り(1人90kg)のエシュロンのルートマップ。

Honda

エシュロンは、アメリカからカナダ、メキシコ、南米、カリブ海諸国へも行くことができる。


数時間におよぶ旅も、キャビンを構成するさまざまなオプションのおかげで快適だろう

エシュロンの洗面台。

エシュロンの洗面台。

Honda Aircraft Company

エシュロンの客室高度は1940mと低く、キャビンは快適に保たれている。


エシュロンのキャビンレイアウトには、エグゼクティブ、デュアルクラブ、ディバンの3タイプがある

ソファ、6つの座席、化粧室を備えたタイプの設計図。

ソファ、6つの座席、化粧室を備えたタイプの設計図。

Honda Aircraft Company

エシュロンは最大11人が搭乗できる。


キャビンをカスタマイズして、ソファ、バスルーム、シングルベッドに変身する座席を組み込むこともできる

シングルベッドに変わる座席。

シングルベッドに変わる座席。

Honda Aircraft Company

ベッドは特に長距離フライトの際に役立つだろう。


エシュロンはスタイルと豪華さを提供するだけでなく、安全性も大幅に強化されている

エシュロンの最新鋭コックピット。

エシュロンの最新鋭コックピット。

Honda Aircraft Company

エシュロンの先進的なハイテクコックピットは、パイロットの作業負担を減らし、リスクを軽減するために設計された直感的なインターフェイスを備えているという。


オンボードシステムとして、オーバーラン警告、緊急自動着陸、自動ブレーキなどを備えている

エシュロンはハイテク機能が満載されている。

エシュロンはハイテク機能が満載されている。

Honda Aircraft Company

ホンダのウェブサイトにはこう記されている。

「いくつかのオンボードシステムは、電気的なアーキテクチャが強化され、より精密な制御が可能となり、航空機との融合性が高まっている。このような設計の強化によってシステムが簡素化され、軽量化、信頼性の向上、メンテナンスの容易さにつながる」


ホンダジェット・チームによると、エシュロンの初飛行は2026年の予定だという

エシュロンの機内。

エシュロンの機内。

Honda Aircraft Company

ホンダ・エアクラフト・カンパニーは、2024年からノースカロライナ州グリーンズボロの本社でジェット機の製造を開始し、初飛行は2026年、市場への投入は2028年に予定している。

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