起業するZ世代は、企業経営の現実を知ることが大切だ。
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- Z世代の理想の引退年齢は61歳。上の世代が考える引退年齢より何年も低い。
- 物価は上がり、借金も抱える中、Z世代はまだ働き始めたばかり。貯蓄に回せる金額は多くはない。
- 彼らは家族や友人から金融に関する専門的な助言を得ようとしており、AIの利用にも抵抗がない。
X世代やミレニアル世代、ベビーブーマー世代が先行きに不安を抱えている一方で、若いZ世代は、退職についてしっかりと考えている。彼らが仕事を引退したいと考えている年齢は平均で61歳で、上の世代よりも低い。
大手証券会社チャールズ・シュワブが10月に行った調査によると、上の世代が引退時期を後ろ倒しにするなかで、すでにきちんと貯蓄を始めているZ世代は、早めに引退しようと考えており、そのために必要な助言を得て、資金を貯めようとしている。チャールズ・シュワブは、ロジカ・リサーチ(Logica Research)と共同で、確定拠出年金401(k)に加入している1000人のアメリカ人被雇用者を対象に調査を行い、さらに、統計的有意性を確保するためにZ世代100人にも調査を実施した。
引退しようと考えている年齢は、回答者全体では66歳。ミレニアル世代は64歳、X世代は65歳、そしてベビーブーマー世代は68歳となっている。
さらに、Z世代の多くが老後資金についてすでに考えていることも明らかになった。Z世代の73%が、自分個人向けの投資助言や401(k)の投資先を選ぶための手助けが欲しいと回答した。
加えてZ世代は、AIの手を借りることにも前向きだ。
Z世代は助言を大いに求めている
退職はZ世代にとってまだ遠い未来であり、今の彼らには、インフレ、月々の支払い、そして予期せぬ出費が立ちはだかる。そのため、Z世代の55%が、自分の資産状況は専門的な助言を必要とする状態だと考えている。彼らはあちこちに手を伸ばしている。例えば、家族や友人に助言を求めたり、自身の401(k)や勤め先で資金を確保しようとしたりしている。
Z世代は、AIベースのデジタルツールから資産運用に関する助言を得ることにも前向きだ。資産運用に関して「ChatGPTのような」AIの手を借りることについて、Z世代の回答者のうち実に75%が肯定的だったのに対し、他の世代と合わせた全体では49%。お金に関してAIの手を借りようとは思わないと回答したのは、Z世代ではわずか3%だが、全体では12%だった。
Z世代は、小さいころからコンピューターを使ったりYouTubeを観たりしてきたのだから、金融に関する助言をAIからを含めてネット上で得ることについて、彼らが上の世代よりもはるかに肯定的であることは当然だといえる。
そして賢明なZ世代は行動している
就労者の中で最も若い世代であるZ世代は、借金の返済、老後資金の目標額に到達する方法、そして、老後資金にもっと回せるように現在の出費をやりくりすることについて、助けを求めている。
働き始めてからそれほど長くはないZ世代は、インフレの影響を受けており、上の世代と比べて貯蓄に回せる金額が少ない。そして手元に残るお金は、物価高のせいで減っていく。少なくなった収入で高くなった生活費をまかなうべく、努力している。それがZ世代なのだ。
Z世代は賢明である――今から退職について考え始めており、少し早めに仕事を辞めるために、行動しているのだ。長引くインフレの中、借金を抱えた彼らが早期退職を実現するには、早期に準備を開始し、老後資金をコツコツと増やしていくしかない。