グーグルはアップルに人々がSafariを使用することで得られる検索収益の36%を支払っていることが法廷で露呈した。
Justin Sullivan / Nathan Howard/ Getty
- グーグルは人々がSafariを使ったときに得られる検索収入の36%をアップルに支払っている。
- これはアップルのデフォルト検索エンジンにしてもらうために支払っている年180億ドルに含まれている。
- グーグルはおそらく、あなたにChromeを使ってほしいと思っているだろう。
グーグル(Google)に対する反トラスト法の訴訟で先日、驚くべきことが明らかとなった。グーグルは、人々がSafariブラウザを使用することで得られる検索の収益のうち36%をアップル(Apple)に支払っているのだ。
この数字は公開法廷で開示されるべきものではなかったようで、証人がそれについて触れたとき、グーグルの弁護士は「明らかにすくんでいた」という。アルファベットのスンダー・ピチャイCEOは、別の反トラスト法の訴訟での証言でこの数字を認めた。
検索での収益の36%を支払っているというのは、目を見張るようなことだ。あまりにも多い。
エピックゲームズ(Epic Games)が現在、グーグルを反トラスト法違反で訴えていることを考えてみよう。その争点は、Google Playストアを通したアプリ内課金の30%をグーグルが手数料として受け取っていることだ。アップルもApple Storeを通したアプリ内課金の30%を受け取っている。
基本的にグーグルは、パズルゲームのキャンディークラッシュよりも不利な条件をアップルに対して受け入れている。
そして、アップルデバイスのデフォルト検索エンジンになるために、グーグルは2021年に180億ドル(約2兆7000億円、1ドル=150円換算)を支払ったとされている。
グーグルがiPhoneユーザーにChromeをダウンロードして、デフォルトブラウザに設定してほしいと思っていることは想像に難くない。
デスクトップPCでは、ChromeブラウザはアップルのSafariより、はるかに人気がある。だがSimilarwebのデータによると、Safariは携帯電話を含むすべてのデバイスを考慮すると、依然としてブラウザの約27%を占めている。
ちなみに、グーグルの2022年における検索での収益は2798億ドル(約42兆円)だった。
アップルデバイスでのデフォルト検索エンジンになるために支払っている180億ドルは、アップルの年間売上から見れば大した額ではない(2023年の年間売上は4000億ドル、約60兆円近くあった)。
しかし、このことはアップルがAndroidユーザーに、iMessageの緑色のテキストメッセージで恥をかかせることをやめるのと関係があるかもしれない。