OpenAIのサム・アルトマンは11月17日、取締役会によって会社を追われた。
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- OpenAIはAlの不動のリーダーだった。
- サム・アルトマンCEOとグレッグ・ブロックマン社長の突然の退任はそれを変えるだろう。
- この混乱は、グーグルやアマゾン、そしてOpenAIに追いつこうとする他の企業にとっては好都合だ。
2022年後半にChatGPTが登場して以来、人工知能(AI)におけるOpenAIのリードを疑う者はいなかった。
サム・アルトマン(Sam Altman)CEOの突然の解任とグレッグ・ブロックマン(Greg Brockman)社長の辞任はそれを一変させるだろう。
同社の声明では、アルトマンが取締役会に嘘をついたために更迭されたことを明らかにしている。シリコンバレー中の従業員とハイテク投資家は、突然の退社にショックを受けている。
この混乱はOpenAIの競合他社にとっては朗報だろう。特にグーグル(Google)とアマゾン(Amazon)は、ChatGPTの急速な成功とGPT-4や他のOpenAIモデルの素晴らしい能力に足元をすくわれたからだ。
グーグルのBardチーム
「私たちがバックアップするということを世間に広めてほしい」
リードを広げることに100%集中する代わりに、OpenAIは今、突然、フルタイムの新しいCEO探しを始めなければならなくなっている。
AI 2インキュベーター(AI2 Incubator)のテクニカルディレクターで、マドロナ・ベンチャー・グループ(Madrona Venture Group)のパートナーであるオーレン・エツィオーニ(Oren Etzioni)は 「OpenAIの現在の評価に影響を与え、大きな混乱を招く可能性がある」 と述べた。
「動きの速いレースにおいて、このラップはグーグルやアマゾンに有利だが、これはマラソンであって短距離走ではない」
11月17日の午後、アルトマンが解任されたというニュースが流れると、マイクロソフト(Microsoft)の株価は下落した。これとは対照的に、グーグルはアマゾンの株価は上昇した。
マイクロソフトはOpenAIに数十億ドルを投資し、このスタートアップのAI製品を動かすクラウドインフラを提供している。
OpenAIがこの悪いニュースについて従業員と話し合うために全員ミーティングを開いたとき、主なメッセージはこの重要なパートナーシップに集中していた。The Informationによると、幹部はマイクロソフトとの関係は安定しているとスタッフに語ったという。
グーグルはOpenAIのつまずきから最も恩恵を受けるかもしれない。検索大手のグーグルには、今年登場するはずだったジェミニ(Gemini)と呼ばれる新しいAIモデルがある。しかし、11月中旬になってもそのリリースの兆しはない。OpenAIのアップデートや新製品の出荷が遅くなれば、グーグルはAIの準備を整える時間が増えることになる。
アマゾンのAWSクラウド事業は、第一次クラウドコンピューティングブームのリーダーだった。OpenAIとその急成長する何千ものAI開発者との結びつきは、AWSのクラウド支配への挑戦だ。繰り返しになるが、OpenAIのリーダーシップと製品ランウェイを混乱させることは、アマゾンが追いつく時間を増やすだけだ。
興味深いことに、グーグルとアマゾンは最近、人材と製品機能の点でおそらくOpenAIに最も近いライバルであるAIスタートアップのAnthropicに数十億ドルを投資した。