日本では、年末ジャンボ宝くじが、11月21日に発売される。
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- ファイナンシャルプランナーのヨバン・ジョンソン氏は、クライアントが宝くじを買うことに必ずしも反対はしない。
- もし頻繁に買うのであれば、宝くじ購入費用を普段の予算に入れておくことを彼は推奨する。
- とはいえ、覚えておきたい。宝くじが当たらなかったとしても、自分の経済的安定は自分で何とかしなければならないのだということを。
いつか宝くじで大金を当ててみたい。みんな、そう夢見ている。
宝くじで高額の当選金に関する報道をテレビで見るたびに、私たちは、何もかも放り出して宝くじを買いに行こうかと考えてしまう。当たったら、何をしようか。仕事を辞めて、そしてずっとほしかった大きな立派な家を買うんだ。
いろんなことを夢見るのは楽しいけれど、統計上、高額当選の確率は非常に低い。宝くじを買うこと自体は何も悪くない——ただ楽しむために、そして、予算の範囲内で買うのであれば。だが、私は自分のクライアントに、宝くじを買う前に気を付けてほしい4つのポイントをアドバイスしている。
1. 貯蓄を優先しよう
宝くじの購入を考える前に、資産づくりの目標に向けた貯蓄や生活費すべての支払いが順調にいっていることを確認しておこう。
例えば、もし、それなりの額の生活防衛資金がないのであれば、宝くじにむやみにつぎ込む前に貯蓄をする方が理にかなっているかもしれない。自分は宝くじを頻繁に購入するタイプの人間だと思うなら、宝くじ代を予算の項目に追加するといいだろう。宝くじを買うのに使うお金は、娯楽費やお楽しみセット代だと考えよう。
既婚者には、宝くじを買うことについて配偶者と話し合うことを勧めたい。今では、宝くじをインターネットで手軽に購入することができ、紙で買うときよりも多くの額を一気に使ってしまうのも簡単だ。携帯電話で宝くじが購入できることも、お金を使い過ぎでしまう一因となる。自分の限度額を知っておこう。そして、決めた予算をしっかりと守ろう。
2. 負ける確率が高いことをわかっておこう
宝くじで勝てる確率は非常に低い。例えば、11月21日に日本で発売になる2023年の「年末ジャンボ宝くじ」は、1等7億円および前後賞の各1億5000万円を合わせると最大10億円にもなる。しかし、ファイナンシャルフィールドによると、年末ジャンボ宝くじの発行予定枚数は4億6000万枚で1等の当せん本数は23本、つまり当選確率は約2000万分の1になるという。サメに襲われる確率の方がまだ高いだろう。
何らかの勝てる公式や当たる数字をひねり出すことができると思っているのなら、考え直した方がいい。当たる数字のパターンなどないし、完璧な攻略法も存在しないのだ。
3. 習慣にしてはいけない
毎年、連番とバラを5セットずつ、あわせて3万円を年末ジャンボ宝くじの購入に使うのなんて、大した額ではないと思うかもしれない。だが、これが10年続けば計30万円になる。この金額をインデックスファンドに投じれば、資産づくりの目標に向けた貯蓄で、差をつけることができるだろう。
だからこそ、宝くじ購入の頻度に上限を設定しよう。高額当選金額に惑わされて資産づくりの目標を忘れてしまわないようにするべきだ。
宝くじの当選者に関する報道を目にすると、宝くじを買っておかないと自分は大きな機会を逃してしまうのではないかと不安になってしまうかもしれない。だが、前のめりになる気持ちを抑えて、長期の資金計画を思い出した方がいい。
もし、あなたが賭け事をする習慣があるのならば、使ってもいい以上の額をつぎ込まないように、ファイナンシャルアドバイザーか配偶者、友人にアカウンタビリティ・パートナー(目標達成をサポートしてくれるバートナー)になってもらうことも考えてみよう。
4. 老後の資金に手を付けてはいけない
高額当選金額がとてつもなく魅力的なのはわかる。だとしても、宝くじを買うために老後の資金に手を付けることには強く反対する。当選確率が非常に低いというだけでなく、あなたの資産づくりの目標達成が危うくなりかねないからだ。
宝くじに使う金額を一定の範囲内に抑えるひとつの方法は、信頼のおける友人や家族と共同購入することだ。参加者全員が同額を出し合って、共同でたくさんの枚数を購入する。このやり方なら、自分だけで買うよりも、高い費用対効果で多くの宝くじを買うことができる。
適切なスタイルで行えば、宝くじ購入は、楽しむことができる。だが、宝くじに少なくない金額をつぎ込む前に、自分の資産状況が健全であることを確認しよう。宝くじが当たらなかったとしても、それでもなお、資産づくりの目標達成に向けてきちんと進んでいく必要があるのだから。