就活生6割「勤務地ガチャ」で入社意向が低下。大学4年生ら1000人調査

就活生

就活生が「勤務地がわからない求人」を避ける傾向が強まっている(写真はイメージです)。

撮影:今村拓馬

リクルートマネジメントソリューションズは2023年11月20日、2024年4月に入社する内定者や就活生(現在の大学4年、大学院2年生)を1117人を対象にした調査結果を発表した。

入社意向に関する調査の結果、「入社前に勤務地が分からない企業・求人」については62%の学生が入社意向が下がると回答した。また「入社後に転職の可能性がある企業・求人」についても、56%の学生が入社意向が下がるとした。

学生が“勤務地ガチャ”(配属地が入社時点まで分からない状況)を避けたがる傾向について、リクルートマネジメントソリューションズでは「就活生有利の売り手市場が続いている。入社時点で想像がつかないような進路は避けたいという心理が表れている」としている。

「業界に興味」よりも「勤務地」

グラフ

「企業にエントリーするきっかけになった事柄」の1位は、「希望する勤務地で働けそうだから」だった。

出典:『2024年新卒採用 大学生の就職活動に関する調査』

調査の結果、企業に関心を持つ段階でも「勤務地」が大きく影響していた。

「企業にエントリーするきっかけになった事柄」について、複数回答で質問したところ、2023年卒では「業界に興味があったから」が1位だったが、2024年卒では「希望する勤務地で働けそうだから」が65.7%で逆転し1位になった。

「入社後の職種転換」には抵抗少なく

グラフ

出典:『2024年新卒採用 大学生の就職活動に関する調査』

入社前に勤務地や配属を選べない企業を避ける一方で、“入社後”の部署移動や職種転換については、入社意向への影響が少ない傾向があった。

「入社前に配属職種を選べない」ことで、入社意向が下がるとしたのは51%だったのに対し、「入社後に職種転換の機会が多い」ことで入社意向が下がるとしたのは24%にとどまった。

研究員

リクルートマネジメントソリューションズの飯塚彩・主任研究員。

撮影:横山耕太郎

調査を実施したリクルートマネジメントソリューションズの飯塚彩・主任研究員は、「学生にとっては勤務地が入社を決める実質的な要因になってきている」とした上で、企業側には、内定学生や志望する学生へのフォローが必要だとした。

「全国転勤がありうる仕事の場合には、勤務地にこだわる学生に対して、その学生がどのような意味で『勤務地が大切』と言っているのかを掘り下げ、コミュニケーションを取ることが求められている。

企業側の情報の提供に加えて、学生が重視している条件を把握し、それが入社後にどう影響するのか話し合うなど、学生の不安に対応することがポイントになる」(飯塚氏)

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