東京・麻布台ヒルズに、チームラボの大型施設が誕生する。
「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」は、かつてお台場にあった同名の施設(2022年8月に閉館)が移転する形でのオープンとなる。
一部お披露目となった新作は、シャボン玉をイメージした没入感のある空間だ。
麻布台ヒルズの地下空間に広がるチームラボ
エントランスの様子。中央の地点に立つと、歪んでいた文字が整列するというトリックアートのようなものも。
撮影:荒幡温子
入居する麻布台ヒルズは地下鉄日比谷線・神谷町駅から直結。本展示はガーデンプラザBの地下1階に位置し、雨の日でも濡れることなくアクセスができる。
施設面積は約7000平米。担当者によれば、「面積としてはお台場よりもやや小さいものの、チームラボの施設ではあえて館内図を設けていない。体感ではそこまで変わらないだろう」とのことだ。
麻布台ヒルズの開業は11月24日(金)だが、チームラボボーダレスは2024年2月上旬を予定する。展示内容や作品数なども調整段階だといい、オープンに向けての準備が進んでいる。
なお、チケット料金も未発表だ。
新作はシャボン玉空間
撮影:荒幡温子
「Bubble Universe:実体光、光のシャボン玉、ぷるんぷるんの光、環境によって生み出される光」は、麻布台ヒルズでお披露目となる完全新作。チームラボらしいミラー空間に無数の発光する球体が反射する、フォトジェニックな作品だ。
撮影:荒幡温子
目を凝らしてみると、一つひとつの球体もたくさんの光源が内蔵されていることが分かる。周囲の球体と、内蔵される光源。そのどちらもが反射し合うことで、この目もくらむような光空間は構成されているのだ。
さらに、天井からぶら下げられ、ゆらゆらと揺らめくことで、まさしくシャボン玉のように輝きを増す。
撮影:荒幡温子
ただのイマーシブなデジタル空間ではなく、テクノロジーを駆使したインタラクティブな側面も、チームラボの特徴の一つだ。ひとたび鑑賞者が足を止めると、近くの球体がいっそう強く発光し、その光は連続で伝播していくことで、光の軌跡を描いていく。
いざ空間に立ってみると、まず幻想的という感想が思い浮かぶが、それだけではない。
デジタルでありながら、発光の一つひとつにわざとらしさは感じられず、どこか生命体のように有機的な印象を受ける。やはりそれは、計算されていない、鑑賞者ありきの光であることに由来するのだろう。
チームラボ代表・猪子寿之さん。
撮影:荒幡温子
「現実世界で光が球体になることはありません。(シャボン玉のように見えるこれらは)我々の認知世界上にだけ出現している光の彫刻とも言えます。
実態がある光だけでなく、認知上にだけ存在する光だったり、環境が生み出している光だったりが入り混じって、一つの球体ができています(代表・猪子寿之さん )」
東京の新・観光名所となるか?
チームラボ《Flowers and People - Megalith Crystal Formation (work in progress)》©チームラボ
チームラボ《Black Waves - Megalith Crystal Formation (work in progress)》©チームラボ
同時公開された、「花と人」「Black Waves」はそれぞれ既存作品を当施設オープンに向け、アップデートしている。
こちらも、鑑賞者とモーションが呼応し、二度とない空間を作り上げていく。2作品を含め、こうした複数のデジタル作品が、他の空間を行き来していくという仕組みだ。
現在営業中の豊洲の「チームラボプラネッツ TOKYO DMM.com」の人気も凄まじく、訪日外国人の10人に1人が訪れるという。今や東京の定番観光名所となったチームラボ施設、麻布台ヒルズもまた訪日外国人で賑わうエリアとなりそうだ。