FIREしたい人々へ——お金よりも時間を選び、40代で引退した兄からの最高のアドバイス

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大切なのは「これで十分」と言える額を見極めることのようだ(写真はイメージ)。

The Good Brigade/Getty Images

  • 私の兄は現在56歳で、部分的にリタイアしてからすでに10年以上が経つ。そして、これまでずっと、お金よりも時間を楽しむ生活を選んできた。
  • 彼の戦略は「小さな住居を買って、生活費を低く抑えること」、そして「テクノロジー関連の株式に早い時期から投資すること」という2つを堅持している。
  • 大切なのは「これで十分」と言える額を見極めることだと、兄は言う——自分のゴールを決めて、それに到達したらそれで満足しよう、ということだ。

私は、自分の兄の時間やお金とのつきあい方を、いつもうらやましく思っている。兄は豊かさ(言い換えれば、これで十分と思える財産)を手に入れたおかげで、ほかの人々とは違う形で、仕事、趣味、金銭面のすべてにおいて人生を楽しめていると自覚しているからだ。

兄の生活は、常に楽しみを中心にしている。一方、私の生活は仕事が中心だ。9時から5時の日常を乗り切るために、何杯ものコーヒーをがぶ飲みしている私とは違い、兄は自転車に乗ったり、旅に出たり、ディナーパーティーを開いたりしてきた。

兄は現在56歳。部分的にリタイアしてから(言い換えれば、パートタイムで仕事をするようになってから)10年以上が経つ。フルタイム(週40時間以上)で働いていた時期はたった3年だったそうだ。

今も部分的に働いているが、週20〜30時間を決まったポジションで働いているというわけではなく、「好き」な仕事を選んでやっている、という意味だ。たとえば、住んでいる町でファーマーズ・マーケットの運営に携わったり、近隣のパブリックアートの目録をつくったりしている。

どんな給料でも確実に支払える額にまで支出を抑える

兄は51歳でシェフとしての高給職を辞めたのだが、それ以前からパートタイムとしてしか働いていなかった。兄のパートナーもそうだった。

最近、どうやってお金ではなく時間を優先できるのかと尋ねてみたところ、兄は若いころに行った2つの選択が、働く時間を減らして自由を得るうえで重要な役割を果たしたと話す。兄は20代のころに1万6000ドル(約236万円)を相続し、そのお金を頭金にして、シアトルでアパートメントを買った。その狭い部屋で、20年以上も過ごしている。

「住宅ローンの返済額は月400ドル(約5万9000円)」だったそうだ。「この額なら、どんな仕事でも雨風がしのげると思った」

加えて、上場したばかりのテクノロジー関連株に数千ドル(数十万円)を投資した。

ほかにもいくつかの行動をとったが、うまくいかなかったそうだ。それでも、最初の2つの決断が資産の基礎となり、兄は社会貢献したり、芸術やアウトドアを楽しんだり、地場産のオーガニック食品を食べたり調理したりなど、自分の価値観に近い生活を送れるようになった。

「これで十分、と言うべき瞬間がある」

お金よりも時間を優先したい人々に何かアドバイスがあるかと尋ねたところ、兄はこう言った。「これだけは貯金したいとか、年収はこれぐらい欲しいなどといったゴールを決めて、それにこだわること。貯金が目指した額に届いても、年収が希望額になっても、ゴールを絶対に動かさない。そこでもう十分なのだから」

私はこれまで何度もゴールを動かすというミスを犯してきた。本当はやりたくないこと、好きではないこと(嫌いな仕事やストレスの割に報酬の少ない仕事)に多くの時間を費やしてしまった。

その私にも引退の時期が近づいてきたが、自分にも仕事をきっぱりとやめられるか、あるいは好きなことだけをやる生活が送れるか、不安でもあり、ためらいも覚える。兄はその真逆だ。成人してからほとんどの時間を、やりたいことだけをやって生きてきた。私たちの誰もが見習いたいと思う典型例だろう。そしてほんの少しの計画と優先順位の決定で、私たちの多くも実際に見習えるのかもしれない。

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