中国メディア、ロシア流の「メディア戦争」へ

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Reuters

(編集部注:この記事の内容は執筆時点のものです)

AP通信によると、中国は海外のニュースネットワークとCCTVを統合し再編しているという。このネットワークはCGTNと呼ばれる。

同時に中国の国営ニュースメディアである新華社は、財務報告の取り組みに力を入れるため新しいネットワークの下で多数のメディアを統合する。中国証券ジャーナル、上海証券ニュース、経済情報デイリー、新華出版社はすべて、中国フォーチュン・メディア・コーポレーショングループの管轄となる。

新華社は「中央政府による文化制度改革」を推進するための努力であり、「金融情報の分野で主要メディアの影響力を強化」していくと述べた。

この動きについて、中国はロシアの国営国際メディアRTの例にならっているとみられる。RTがロシア政府の意向を反映したニュースを世界に発信しているのと同じように、国際社会で語られる自国にまつわるニュース、特に経済ニュースについて、中国はより強いコントロールを望んでいる。

中国メディアは常に国家によって厳しく管理されてきたが、習近平政権下ではそれは全く新しい意味を持つ。昨年の今頃、習近平国家主席は各メディアを視察し、ジャーナリストと役員が中国共産党への忠誠を誓っているかを確認した。

「党が運営するすべてのニュースメディアは、党の意志とその政策を代弁し、党の権威と結束を守るべきである」と習主席は述べた。またすべてのレベルの教育から中国のシンクタンクまで、あらゆる種類の思想について、このイデオロギー的な均一性を求めている。

CCTVは1958年の開局以降世界中で長年利用されており、英語、アラビア語、フランス語、スペイン語、ロシア語に対応している。ワシントンDCには支店がある。

私はコロンビア大学で、イランのPRESS TVやフランスのFrance 24、カタールのアルジャジーラ、ロシアのロシア・トゥデイ、中国のCCTVを取り上げたジャーナリズム研究の一環として、彼らのワシントン支局を2011年に訪れた。コロンビアの研究グループは、新しい建設物でリボンカットの式典を行う公務員や中国の文化コンテンツなどを含むCCTVが最も退屈かつ無害であると結論づけた。

もちろん、2008年まではRTも順調だった。それはロシアにとって幸先のいい出来事だった。しかし、ジョージ・W・ブッシュ大統領が旧ソ連構成国のジョージアへロシアが侵入したことについて反対の立場を明らかにしたのち、物事は変わった。 RTの編集部は突然アメリカへ矛先を向け、同国政府の正当性に疑問を投げかけた。

RTの編集長であるマルガリータ・シモニャン(Margarita Simonyan)は、2013年のドイツのシュピーゲル誌のインタビューで、ロシア・ジョージア戦争の際に西側メディアは「ジョージアの防衛省のように行動した」と述べた。

一年後、彼女はRTがメディア戦争の中で戦っていることに言及した。

中国が経済界に重きを置いていることを考えると、その目的はロシアのものと全く同じというわけではないようだ。RTはより地理情勢に注目しているのに対し、中国は自国の経済的なメッセージを拡散しようとしている。何年にもわたる過剰債務と(現在GDPの280%に近い)と中国資本流出(12月時点で820億円)で中国経済は緊迫している。この動きは、中国の経済メッセージの拡散を国内だけでなく国外にも広げていくものになるだろう。

[原文:China's media is about to go to 'war' Russia style

(翻訳:小池祐里佳)

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