Mark Zuckerberg/Facebook
FacebookのCEOマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)氏は17日(現地時間)、彼が20億ドル(約2300億円)で買収したOculus VRが他社の技術を盗用したとする疑惑に関して法廷で証言する。Facebookにとっては深刻な事態となりかねない訴訟だ。
Facebookに対する2年にもおよぶこの訴訟で、ゲームメーカーのZenimaxは同社に20億ドル(約2300億円)の損害賠償を請求している。この額はFacebookが2014年にOculus VRの買収に費やした金額と同額だ。
Zenmiaxの代表者らはBusiness Insiderに対し、週後半にOculus VRの共同設立者であるパーマー・ラッキー(Palmer Luckey)氏が証言台に立つと話した。Oculus VRのCTOで元Zenimaxの社員であるジョン・カーマック(John Carmack)氏は10日に初めて証言した。
Facebookは、Oculus VRの買収についてザッカーバーグ氏が法廷に立つ必要はないと主張したが、裁判官によって却下された。また、ラッキー氏が公の場に姿を表すのは、彼がヒラリー・クリントン元大統領候補を批判する非営利団体に密かに資金提供をしていたことを認めた9月以来初めてのことだ。
史上最大のテクノロジー泥棒
Oculus VRのCTO ジョン・カーマック氏
Wikimedia Commons
この訴訟の中心は、Oculus VRのCTOジョン・カーマック氏だ。彼は元id Software(ビデオゲーム会社)の経営者であり、『Doom』や『Quake』などのビデオゲームの企画立案者として知られている。Zenimaxは「カーマック氏が漏らしたZenimaxの機密情報を活用して、Oculus VRはソフトウェアを開発した」と訴えた(Oculus VRはid Softwareに勤めていたカーマック氏と彼の5人のスタッフを社員として採用していた)。
Zenimaxの弁護士Tony Sammi氏は10日、陪審員に向けてFacebookのOculus VR買収を「史上最大のテクノロジー泥棒」とまで呼んだ。
Facebookは、Zenimaxの主張には根拠がないと反論している。
「Oculus VRとその設立者たちは、人々が交流したり、コミュニケーションを取ったりする方法を根本的に変えることができると信じて、VRに大量の時間とお金を投資してきた。ビジョン、専門的知識、忍耐力の不足により、自分たちに作ることのできなかったテクノロジーを横取りしようと、他社が無駄な訴訟を起こしていることに失望している」とOculus VRの広報担当者はBusiness Insiderに語った。
ザッカーバーグ氏とラッキー氏、その他のOculus VRの主要メンバーは3週間におよぶ裁判中に何らかの証言をする予定だ。彼らはFacebookがOculus VRを買収するまでの経緯、Oculus Rift headsetの開発プロセスの詳細、また、カーマック氏がZenimaxとの契約に違反したかどうかについて証言を求められる。裁判の内容は秘密扱いである。
(翻訳:一柳優心)