終わりが見えたトランプ相場 —— 6月利上げ観測もしぼむ

トランプ大統領

経済の低迷を示すデータに加えて、政治動向の変化も経済成長を妨げているようだ。

Justin Sullivan/Getty Images

アメリカの市場の熱がさめつつある。

大統領選後、多くの経済指標は歴史的な急上昇を見せた。しかし最近になって、予想を下回るデータが増え、また大統領が掲げた景気刺激策が今年、議会に承認されない恐れも出てきたことで、経済成長は起きないという見方が増えてきた。

4月14日に発表された3月の消費者物価指数は、2016年2月以来、初めて下落した。価格の変動が大きい、食品とエネルギーの価格を除いたコアCPIは、2010年1月以来初めて0.1%下落した。

さらに、米商務省は3月の小売業の売り上げが0.2%下落したと発表、2回連続の下落となった。下落の大きな原因となった自動車売り上げを除いても、売り上げの上昇は0.1%にとどまり、エコノミストが予想した0.3%を下回った。

消費者信頼感指数がここ10年で最高レベルに達しているにもかかわらず、小売業売り上げは下落した。

2017年初めの経済成長予測も芳しくない。国内総生産を集計しているアトランタ連邦準備銀行のGDP Nowによると、第1四半期の国内総生産の伸びは0.5%にとどまり、四半期としての成長率はこの2年で最低となる見通しだ。

JPモルガン・ファンドのチーフ・グローバル・ストラテジスト、デイビッド・ケリー(David Kelly)氏は4月17日の週次文書の中で、今年初めの低成長率について懸念を繰り返した。

「今朝の時点で我々は、第2四半期の成長率は2%となり、第1四半期の成長率は年率1.0%に満たないと予想した。経済は低迷しているようには見えない。しかし、景気刺激策が実施されなければ、過熱した経済は必ず失速する」

政治動向の変化も経済成長を妨げているようだ。

「経済ナショナリスト」を自認するスティーブ・バノン(Steve Bannon)氏のホワイトハウスにおける影響力は小さくなりつつあるようだ。バノン氏はトランプ大統領の1兆ドルのインフラ投資と、保護貿易主義政策の発案者。この2つの政策は、トランプ政権が打ち出した主要な景気刺激策だ。

IIF(Institute of International Finance)のチーフ・エコノミスト、ロビン・ブルックス(Robin Brooks)氏によると、税制改革とインフラ投資に関する最近の取り組みは、経済成長への新たな懸念を生み出している。4月13日木曜日、ブルックス氏は以下のように述べた。

マーケットの観点から見ると、税制改革や減税にはさまざまな課題がある。8月の実現が見込まれていたムニューシン財務長官の税制改革プランが遅れる公算となり、株式市場は失望している。

同様に、保守派の共和党議員が多額のインフラ支出を差し止める可能性が浮上したことは、建築およびエンジニアリング系企業の株価の勢いを奪い、1月後半のピーク時と比較して10%以上下落した。

トランプ大統領の巨額の景気刺激策は実現の見込みが小さく、市場はそれに気付き始めている。

株価と債券の利回りは昨年の大統領選後に急騰したが、停滞を示すデータとトランプ政権のぶれを受けて、投資家は「トランプ相場」を見限りつつある

10年国債の利回りは大統領選直後の週以来の最低水準に留まっている。ダウ平均株価は3月上旬に最高値を記録した後、下落を続けている。

投資家は、停滞を示すデータを受け、連邦準備銀行(FRB)の金利引き上げに関する予測を見直している。ブルームバーグの金利予測によると、FRBが6月に金利を引き上げる見通しは、ここ1週間で大きく低下した。4月17日月曜日の時点で、6月に金利が引き上げられる見通しは47%と、1週間前の66.5%から低下している。

[原文:Markets are beginning to realize a Trump-fueled economic boom may not be coming

(翻訳:Satoru Sasozaki)

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