Asa Mathat | D: All Things Digital
米アマゾンの発送センターでは、数千ものオレンジ色の小型ロボットが発送品を分類する。カリフォルニア州のテスラの工場では、赤いマルチロボットアームが電気自動車を組み立てる。 これが、現代のテクノロジーが創造している世界である。
信頼性の高いデータによると、今後20年間で、肉体労働とカスタマーサービスの仕事は急速に自動化されるという。何百万人もの人々が、新しいスキルを習得したり、職種を完全に変えたりすることを余儀なくされる可能性がある。 テック界の巨人たちの「自動化」」の脅威に対する反応を以下にまとめた。
ビル・ゲイツ(Bill Gates)
Ramin Talaie/Getty Images
マイクロソフトの共同設立者であるゲイツ氏は、ロボットが人間から仕事を奪う未来図を強く信じており、ロボット導入による所得税の損失を補うために、企業がどのように税金を払うべきかを思案中だ。 また、「特定分野の雇用が機械によって一気に代替される」とQuartzに語った。
「倉庫作業、車の運転、部屋の清掃など、今後20年で機械に置き換わるであろう仕事は少なくない」
マーク・キューバン(Mark Cuban)
Michael Buckner/Getty
NBAチーム「ダラス・マーベリックス」のオーナーを務めるキューバン氏は、起業家が投資家にプレゼンを行うアメリカの人気番組「シャークタンク」に出演し、人工知能を搭載したロボットが、今後数年間で多くの雇用を奪うと何度か発言している。 キューバン氏は今年2月、トランプ大統領がアメリカに製造業の雇用を取り戻すとした政策に対し、「大統領がテクノロジーとビジネスを理解していない証拠」と非難した。
「仕事がなくなるんだ。(トランプ大統領は)失業者をどう扱うつもりなんだ?」
ビノッド・コースラ(Vinod Khosla)
Flickr / JD Lasica
サン・マイクロシステムズ(Sun Microsystems)の共同設立者で、著名な投資家のコスラ氏は、IT系雇用の80%が今後数十年の間に自動化の危険にさらされると述べている。 コスラ氏がなくなると考える仕事には、単純なデータ入力や簡単なトラブルシューティングなどが含まれる。2016年11月、サンフランシスコで開催された「Structure Conference」で、 同氏は 「私は(機械によって自動化される未来を)エキサイティングだと思う」と述べた。
デビン・ウェニグ(Devin Wenig)
eBay
eBayの社長兼CEOであるウェニグ氏は、AIが今後10年間で雇用市場全体を消し去る可能性があると述べた。しかし、ウェニグ氏は至って楽観的だ。雇用者が、職を失うかもしれない従業員にトレーニングを行うという役割を認識している限り、問題はないとウェニグ氏は考える。
「AIの進化に伴い、職業訓練も進化しなくてはならない」
ウェニグ氏は今年1月、そう述べている。
「データサイエンス、工学、運用など、AIに密接に関連する分野では、すでに深刻な人手不足が発生している」
イーロン・マスク(Elon Musk)
Asa Mathat | D: All Things Digital
テスラのCEOマスク氏は、2016年11月のCNBCのインタビューで、21世紀半ばまでに非常に多くの雇用がロボットによって奪われ、政府は働かない人たちにも給料を支払うようになると述べた。ユニバーサル・ベーシックインカム(UBI)と呼ばれるその考え方を、最先端のテック起業家であるマスク氏は、「自動化」による雇用喪失の解決策として支持する。
サム・オルトマン(Sam Altman)
Drew Angerer/Getty
もう1人のUBIの支持者である、Yコンビネータ(Y Combinator)社長のオルトマン氏は、今後20年でロボットが経済に破壊的な影響を与え、100年後には産業経済を支配するようになると確信する。 オルトマン氏は、今年2月、ビデオチャットで次のように話している。
「私が最も関心があることは、『自動化』がますます強力になる中で、経済と雇用にどのような影響を与えるかということだ」
ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)
REUTERS/Gary Cameron
アマゾンのCEO、ベゾス氏は何年もの間、AIの力を積極的に取り入れてきた。同社の工場には、商品を整理し、運搬するロボットが4万5000台以上もある。 また、アマゾンは無人のスーパーを建設する計画も発表している。
「(自動化が)今後20年間に、社会にどれくらい大きな影響を及ぼすかを評価するのは、おそらく難しい」 同氏は、昨年のCode Conferenceでそう述べた。
クリス・ヒューズ(Chris Hughes)
Adam Hunger/Reuters
Facebookの共同設立者であるヒューズ氏は、仕事が機械によって自動化される未来は必然的だと語る。
「『仕事』は変わった、というのが現実だ」 同氏はナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)にそう語った。
「人間がやってきた仕事の多くは、今やコンピューターが担っており、今後はそれがさらに増えるだろう」
ヒューズ氏も、「自動化」が引き起こす懸念の解決策として、UBIを支持している。
レイ・カーツワイル(Ray Kurzweil)
Tech Insider
グーグルのエンジニアリング部門ディレクター、カーツワイル氏は、未来の雇用に対して何ら不安を抱えていない。 カーツワイル氏は、ロボットを「より良い未来へ導く力」と見る。同氏にとってロボットは、少なくとも、人々を自由にし、自分の好きなことをするための手段なのだ。2030年代までにAIは人類の知能を上回り、どこに行っても自動運転の車を見かけるようになると予測する。
「新しいタイプの仕事が生まれ、まだ見ぬ種類の通貨ができるだろう」 同氏は起業家雑誌「Entrepreneur」にそう語った。
source: electreck、Quartz 、WEF 、CNBC、Code Conference、NPR、Entrepreneur
[原文:9 tech giants who think robots could replace countless American jobs over the next 20 years]
(翻訳:Wizr)