Facebookが掲げる10年計画 —— 「画面のあるデバイスを駆逐し尽くす」

マーク・ザッカーバーグがFacebookの未来をAR(拡張現実)に賭けていることはもはや周知のことだ。現実の世界にデジタルイメージを重ね合わせるARは、Snapchatのカメラフィルターでも活用されている。

同社は今年の開発者会議「F8」で、昨年初めて発表した10年計画を修正し、さらに大きな賭けに出る意向を明らかにした。今後の10年間、FacebookはAI、あらゆる場所でのインターネット接続、VR(仮想現実)およびAR(拡張現実)を事業の核に据える。

Facebookvの10年計画

Facebookの10年計画。2016年のF8で初めて公開された。

Facebook

計画の主要な位置を占めるARの盛り上がりを受け、ザッカーバーグはカメラエフェクトプラットフォームを発表した。外部の開発者に対して、フェイスブックのカメラ機能を使ったARアプリを構築するために必要なツール一式を提供する。これはつまり「ポケモンGO」のような社会現象になったアプリを、次は同社が提供する可能性があることを意味している。

ザッカーバーグはカメラエフェクトプラットフォームを発表

ザッカーバーグはカメラエフェクトプラットフォームを発表した。外部の開発者に対して、Facebookのカメラ機能を使ったARアプリを構築するために必要なツール一式を提供する。

Getty

この発表自体は当たり障りがないように思えるが、これは守りの一手ではない。同社はスマートフォンに依存しないアプリ環境や開発環境を作りあげ、グーグルやアップルとの真っ向勝負に再度挑もうとしているニューヨーク・タイムズによると、ザッカーバーグは同社がスマートフォンOSを開発しなかったことをずっと後悔している。

だが今回はIT業界のほぼ全てに対して宣戦布告をしたようなものだ。計画が全て実現するまでに少なくとも10年はかかるとはいえ、同社が今語っていることはスマートフォンが終えんに向けたゆっくりとした歩みをさらに前に進めていること、そして未来はより予測不可能な方向へと向かっているということだ。

テレビはもう必要ない

4月18日、F8の基調講演でザッカーバーグは、ほんの少しだけ手の内を明らかにした。ARに関するデモンストレーションの途中で、いつもと同じような眼鏡を掛けるだけで、リビングで、どんなテレビよりも大きな画面をバーチャルに再現できることを示した。

「物理的なテレビはもう必要ない。『テレビ』アプリを1ドルで購入し、壁に映して視聴することができる」と、ザッカーバーグは基調講演の前にUSA Todayに語った。「本当にすごい話だが、今物理的に存在しているモノのほとんどはいらなくなる」

AR眼鏡

ザッカーバーグは、チェスやテレビなどをARで表示する眼鏡の開発を進めている。

Facebook

メガネ型のウエアラブル・コンピュータを身に付けるというアイデアは、納得できる話だ(ただし、Facebookがあなたが見たり聞いたりした全てのことを把握することに納得できればの話)。

そして、これはテレビだけに限った話ではない。スマートフォン、スマートウォッチ、タブレット、フィットネストラッカーなど、画面があるモノ全てに当てはまる。ザッカーバーグは、Facebookアプリのカメラをかざすとストリートアートが出現するインタレーション(現代美術における表現方法の1つ)を披露した。

マイクロソフトはすでに、HoloLensでこの分野に乗り出している。HoloLensプロジェクトを統括しているアレックス・キップマン(Alex Kipman)は、スマートフォンの終えんは、ARやその関連技術の進化による「自然の成り行き」だと結論付けた。

そして混戦へ

問題は、Facebookが新しいテクノロジーによって置き換えようとしているもの、つまり、携帯電話、テレビ、タブレットなどの生産で、世界経済の多くの部分が成り立っていることだ。

ザッカーバーグも、構想が実現するには長い時間が必要であることを理解している。だが、カメラエフェクトプラットフォームが多くのユーザーを獲得することに成功したら、この取り組みは時代を先取りしたものとして評価されるだろう。今、Facebookカメラ用に開発されているアプリは、もしかしたらAR眼鏡で使う最初のアプリになるかもしれない。

マイクロソフトのHoloLens

マイクロソフトのHoloLensはFacebookの一足先を行っている。

Microsoft

短期的には、同社のARへの取り組みは、Snapchatと競合することになるだろう。だからこそ開発者とユーザーからの熱い支持が欠かせない。多くの人が使い続けてくれるように、楽しい機能と、面白い開発ツールを提供し続ける必要がある。

長期的には、Facebookと他の全ての企業による、人々を新たな時代に導くためのし烈な競争である。アップル、グーグル、マイクロソフトなど、多くのIT企業が戦いに巻き込まれていくだろう。

(敬称略)

source:Facebook、Microsoft

[原文:Mark Zuckerberg just signed the death warrant for the smartphone

(翻訳:まいるす・ゑびす)

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