Facebookの新プロジェクトを発表するレギーナ・ドゥーガン氏
Facebookは脳とコンピュータをつなぐインターフェイスの開発を進めている。
「いつの日か、考えるだけでコミュニケーションができるようになるだろう」とマーク・ザッカーバーグは語った。
これは、Business Insiderが今年1月に伝えた同社のハードウェア開発部門「Building 8」が取り組むプロジェクトだ。4月19日水曜日(現地時間)、同社は開発者会議「F8」で、これまで謎に包まれていたBuilding 8が進める2つのプロジェクトを初めて公開した。
Building 8の責任者レギーナ・ドゥーガン(Regina Dugan)は、60人の科学者からなるチームが、脳波だけで毎分100ワードを入力できる非侵襲的システム(脳に埋め込む必要がないシステム)の開発に取り組んでいると語った。また、皮膚を通して言語を伝達することを目指すプロジェクトについても言及した。
プロジェクトのゴールは「中国語で考え、スペイン語で感じる」ことだと、グーグルの先進技術プロジェクト部門から昨年同社に加わったドゥーガンは語った。
サイレント・スピーチ・インターフェース
プロジェクトが実際の製品として実用化されるのは、まだまだ先の話だが、Facebookは「実現できる」と確信している。
「最終的には、大量生産可能なウエアラブル・テクノロジーにしたい」とザッカーバーグは19日、ブログに投稿した。
ドゥーガンは自身のFacebookで、2つのプロジェクトを「サイレント・スピーチ・インターフェイス」と説明した。ドゥーガンによるとこのテクノロジーは、音声で伝える簡便性とテキストメッセージの機密性を両立させる。
皮膚のプロジェクトは、人間の耳の中の「蝸牛(音を感じる器官)」の働きを、触覚で代替するもの。プロジェクトは、元スタンフォード大学の心臓専門医が率いている。一方、脳から直接テキストを入力するプロジェクトは、脳波で義手をコントロールするプロジェクトに参加していた元ジョンホプキンス大学の神経科学者が率いている。
どちらのプロジェクトもFacebookに大きな影響を与える可能性がある。
ドゥーガンは、プレゼンテーションの中で、(思考をすべてテキスト化するのではなく)、人がさまざまな思考の中から選択的に言葉にしたものをテキスト化することを目指していると述べた。
「人はたくさんの写真を撮るが、シェアする際にはその中から何枚かを選ぶ。同様に、人はさまざまな思考を思い浮かべているが、誰かに伝える時はその中から選んでいる」
(敬称略)
source:Facebook
[原文:Facebook is working on tech to let you type with your brain and 'hear with your skin' (FB)]
(翻訳:Wizr)