NASA、地球に接近した「危険な」小惑星を撮影

地球と小惑星(予想図)

地球に接近する「地球近傍天体(NEOs)」

NASA

  • 天文学者は「2014 JO25」と名付けられた「潜在的に危険な小惑星」のレーダー画像の撮影に成功した。
  • ピーナッツのような形をしたこの小惑星は世界最大級の高層ビルと同等の大きさ。
  • 2017年4月19日、小惑星は最も地球に接近した。

地球に最接近した小惑星を4月19日水曜日、天文学者たちは興味深く観測した。

プエルトリコのカルスト地形のくぼ地を利用した、巨大な電波望遠鏡を持つアレシボ天文台は、レーダーを小惑星に向けて発射し、反射波を読み取る方法で「2014 JO25」と呼ばれる小惑星の観測を行っている。

アレシボ天文台で4月17日に録画されたばかりのレーダー動画の1つが下記だ。

NASAによると、この小惑星は4月19日、地球からおよそ177万キロ離れた場所を通過。これは地球から月までの距離の4.6倍に相当する。

小惑星2014 JO25とは

この小惑星は、3年ほど前に発見された。

地球からの距離が近いことから、この惑星は「潜在的に危険な小惑星」という意味の「Potentially Hazardous Asteroid」の頭文字を取り、PHAとも呼ばれている。NASAによると、「2014 JO25」は地球に害を与えることなく通過し、再び地球に近づくのは400年後だ。

小惑星の写真

カリフォルニア州ゴールドストーンにあるNASAのディープスペースネットワークの70mのパラボラアンテナは、およそ300万キロ離れた小惑星のレーダー画像を30枚撮影することに成功した。

NASA/JPL-Caltech/GSSR

NASAが4月6日に発表したプレスリリースによると、この小惑星は直径が約600m。ニューヨークにあるワンワールドトレードセンターや、中国の上海タワーと同じくらいの高さで、つまり、地球上の人工物の中でトップクラスの大きさを誇る高層ビルとほぼ同じ大きさだ。

アレシボ天文台で収集されたデータの解析を行っているアメリカ大学宇宙研究協会(Universities Space Research Association)の科学者エドガード・リベラ-バレンティン(Edgard Rivera-Valentín)氏によると、実際のサイズは、より大きい可能性がある(当初、同氏は「想定の2倍くらいの大きさかもしれない」と述べたが、後にNASAジェット推進研究所からの新しいデータでその見解を訂正した。小惑星の大きさは、約600m程度のようだ)。

「アレシボの観測によって、この小惑星はピーナッツのような形状をしていることが分かった」と同氏はBusiness Insiderへのメールで述べた。

同氏はまた、アレシボを始めとする電波望遠鏡が19日水曜日、小惑星が最接近する際に大きな手掛かりとなる画像を撮影するだろうと付け加えた。「小惑星の実際の形が明らかになるまでは少しだけ時間がかかる」と同氏は続けた。

カリフォルニア州ゴールドストーンにあるNASAのディープスペースネットワークのアンテナは4月18日、この小惑星の姿を記録した。70mのパラボラアンテナはおよそ300万キロ離れた小惑星のレーダー画像を30枚撮影することに成功した。

これらの画像を1枚にまとめたのが以下だ。

危険な隕石から地球を守る

この小惑星は、2つの小惑星が宇宙空間で押しつぶされ一体化したためピーナッツ形状になっており、「接触連星」という用語で呼ばれている。

リベラ-バレンティン氏は以前、宇宙空間の小惑星の6分の1がこの「接触連星」だとBusiness Insiderに語った。我々が暮らす太陽系の中で、決して珍しいものではない。

同氏は、光学望遠鏡での観測が可能な場合、地球に接近するこれらの「地球近傍天体」(NEOs:near-Earth objects)の映像を記録しておくことは、これらの地球近傍天体の今後の軌道を予測するためにも極めて重要な任務と語る。

アレシボ天文台

プエルトリコのカルスト地形の窪地を利用した巨大な電波望遠鏡を持つアレシボ天文台

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「アレシボ天文台の役割は、星を観察するだけでなく、地球近傍天体の特徴を調べること」と彼は以前に語っている。「大きさ、形、自転状況、構成物、地表付近の地層などを調べることができる」

最終的な目的は、こうしたデータを活用して高度なシミュレーションを行い、宇宙空間から飛来する地球近傍天体が、どれほどの脅威を人類にもたらす可能性があるのかを算出することだ。

「他の多くの自然災害とは異なり、小惑星の衝突は回避することが可能だ。アレシボ天文台での観測データが、NASAの地球防衛ミッションで活用されることも十分に考えられる」

「地球防衛」ミッションとは、SF映画のような言葉だが、NASAは人類にとって脅威となりえる小惑星への対策に極めて真剣に取り組んでいる。実際にNASAは、大都市を一瞬にして壊滅させてしまうような地球近傍天体を観測するよう議会から指示を受けている。その数は、30万に上る地球近傍天体の約90%と推定されている。

人類に壊滅的なダメージを与える大きさの小惑星は実は信じがたい頻度で地球のそばを通過している。Business Insiderが最近行ったデータ分析によると、小惑星の衝突によってアメリカ国民が命を落とす確率は、テロリストによる攻撃を受けて死亡する確率の30倍となっている。

source:NASANASA/JPL-Caltech/GSSRUploaded to Wikipedia by File Upload Bot (Magnus Manske)

[原文:NASA just filmed a 'potentially hazardous' asteroid flying near Earth that's as big as a super-tall skyscraper

(翻訳:まいるす・ゑびす)

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