服飾店にとって厳しい1年になりそうだ。
REUTERS/Luke MacGregor
イギリスの3月の小売業販売額が大きく落ち込んだ。1~3月期も同様の落ち込みを見せており、今後、消費者部門はさらなる試練が予想される。
イギリス国家統計局によると、1~3月の小売業販売額は1.4%減少。月ベースでは予想の0.2%減を大幅に上回る1.8%減だった。
国家統計局のケイト・デイビーズ(Kate Davies)氏は「3月及び1~3月の四半期の販売額は減少した。四半期間の減少は2013年以来で、小売業全体に値上げが広がっていることが背景にある」とコメントした。
以下は国家統計局の長期チャート。
図2:四半期ごとの季節変動調整済み売上高と未調整デフレーター (英国 2010年1月〜2017年3月)。 左から 販売量、販売額、平均店頭価格 。
英国家統計局 月間景気動向調査 小売販売調査
国家統計局によると、一つの部門が足を引っ張っているわけではなく「ほとんどの小売部門で販売の減少が見られ、繊維製品・アパレル・フットウエア分野のみが1.9%伸びた。特に落ち込み幅が大きかったのが、生活雑貨店(3.3%減)と燃料店(3.1%減)だった。
イギリスの小売業減速の最大の理由の一つは、(EUからの脱退を問う国民投票が可決され)昨夏に起きた急激なインフレだ。ポンドの下落に伴いインフレ率は上昇し、3月には2.3%に到達。中でも、値上げに一番大きな影響を及ぼしたのは食品小売業だった。
イングランド銀行元金融政策委員会メンバーで現PwCのシニア経済アドバイザーは「ブレグジット後から続いた消費支出の増加は終わりを迎えた」と述べた。
「これは予期されていたイギリス経済停滞が始まったことを示す確固たる証拠だ。今後数カ月にわたって、他の経済データでも同じ傾向が出るだろう」と述べた。
source:The Office for National Statistics
[原文:British retail sales dropped more than expected in March — and it is a worrying sign for the economy]
(翻訳:近松瑛真)