出稼ぎ労働者の送金額が減少 —— 世界経済の減速反映

送金

途上国に住む人々にとって、送金は極めて重要な収入源だ。

REUTERS/Henry Romero

世界銀行の移民と開発に関する報告書によると、2016年も高所得国から途上国への送金額が減少したようだ。2年連続での減少は30年間で初めて。貧困国にとって国外からの送金は重要な収入源であり、この傾向は、彼らの命綱が削られていることに等しい。

公式に記録されている2016年の途上国への送金は、2015年の4400億ドル(約47.9兆円)から2.4%減の4290億ドルとなる見込みだ。また、2016年の世界全体の送金(高所得国への送金も含む)は、2015年の5820億ドルから1.2%減の5750億ドル。

「南アジアおよび中央アジア諸国への送金フローは、湾岸協力会議(GCC)諸国とロシア連邦の原油価格の低迷や経済成長の鈍化によって大打撃を受けた。また、北アフリカ及びサハラ以南のアフリカ諸国への送金フローは、ヨーロッパ経済の低成長のあおりを受けた」との見解を示した。

送金額がドル換算で算出されていることの影響も少なくない。ドルに対してユーロ、ポンド、ルーブルが弱体化したことも送金額の低下に拍車をかけた。送金先大国の多くで送金額の減少が見受けられた。インドが最たる例で、依然として最大の受け取り国ではあるものの、2016年の受け取り額は前年比8.9%減の627億ドルとなった。

世界銀行の世界指標グループ (Global Indicators Group)のリタ・ラマーリョ(Rita Ramalho)取締役代行(acting director)は「途上国に住む何百万世帯にとって、送金は極めて重要な収入源だ。送金フローの減少は、彼らのヘルスケアや適切な栄養、教育へのアクセスに深刻な影響をもたらし得る」と語った。

また、移民増加問題によって、海外送金に新たな懸念が生じている。アメリカのような富裕国が送金に課税することを検討しているのだ。トランプ大統領は、メキシコ国境に壁を建設する費用をメキシコから徴収する方法の1つとして、送金への課税を挙げている。

世界銀行によると「移民が多い高所得国の一部は、国外への送金に課税することを検討している。税収を増加させるだけでなく、証明書を持たない移民、つまり不法移民をけん制する意図もあるようだ。しかし、送金への課税は管理するのが難しい上に、送金フローを水面下に潜らせる可能性が高い」

一方で世界銀行は、経済成長の好転が予想されることから、今年度の送金は再び増加に転じるはずだと付け加えた。

「世界経済の見通しが好転したのに伴い、途上国への送金も今年度は回復することが期待される。2017年の途上国への送金は、3.3%増加し、4440億ドルになる見込みだ」

[原文:Foreign workers in rich nations are sending less money home — and it's hurting poor economies

(翻訳:Yuta Machida)

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