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なぜ僕は日本代表になれたのか —— アルバルク東京・田中大貴選手に聞く、成長を加速させた3つの転機

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昨年9月22日に華々しく幕をあけた、プロバスケットボールリーグのBリーグ。開幕戦の2チームに選ばれたのはアルバルク東京と琉球ゴールデンキングス。アルバルク東京のエースが田中大貴だ。日本代表としても2017年2月の対イラン戦で素晴らしいプレーを見せるなど、日本バスケットボール界を代表する選手として活躍を続けている。

働いていれば誰しも、自分の能力や決断に自信が持てなくなることもあるだろう。迷いを払拭し一段高いレベルに上がれるかどうかは、目の前にある〝機会〟を自分のものにできるかどうかにかかっている。 田中選手はなぜ日本を代表する選手にまで登りつめられたのか。そこには彼の成長を促した3つの転機と出会いがあった。

大半を費やした高校時代の守備練習

プロバスケットボール選手の写真

「中学のときから全国大会に出て活躍している選手のほうがよっぽどエリートなんじゃないかな、と思っていました」

最初の大きな転機は高校への進学だった。 長崎県出身の田中が選んだのは、全国大会にも出場していた長崎西高校だった。田中が東海大学在学中から現在まで背負っている「24番」は、長崎西高校の「西」(24)に由来する。田中は当時をこう振り返る。

「長崎西高校に進むことはできましたけど、自分はそれまで全国大会にも出ていなかった。中学のときから全国大会に出て活躍している選手のほうがよっぽどエリートなんじゃないかな、と思っていました」

いまでこそ身長192cmで、ダンクシュートも決める田中だが、高校入学当時は180cmにも満たなかった。バスケットボール選手としては決して大きい方ではなかった。

だが、そうした要素はコンプレックスではなく、田中を突き動かすモチベーションとなった。真摯にバスケットに向き合う。その姿勢は、田中がいまも誇りにしているものである。

長崎西高校に田中を誘ったのが、当時監督を務めていた後藤慶太である。彼の言葉が田中に明確な指針を示してくれた。

「将来、日本代表になるだけの力がおまえにはあるぞ。だからこそ、必死で頑張れ!」

ことあるごとに、後藤から声をかけられた。

田中は入学と同時に長崎西高校の寮へ入ったのだが、その寮の管理人が後藤であり、寮の食事を作ってくれていたのは後藤の妻だった。後藤はいわば、第二の父のような存在だった。

「もちろん、あの言葉をいただけたのはすごく嬉しかったです。ただ、大きかったのは、自分にも代表選手になるチャンスがあるかもしれない、と初めて思えたことです」

当時のチームの練習の大半は、ワクワクするような攻撃ではなく、地道な守備に費やされた。攻撃が2割、守備が8割といったところか。いまでも親交のある当時のチームメイトたちと「守備の練習、多いよな……」と嘆きつつも、励まし合い、汗を流した。その時に培ったディフェンスの能力は、プロになった今でも田中の礎となっている。

今シーズンのリーグ戦55試合を終えた時点で、田中の1試合あたりの平均得点数は13.6点。日本人のなかでは2番目だ。キレイな放物線を描く3Pシュートや華麗なダンクシュートなどが注目されがちだだが、バスケットボールの基本は守備だ。その守備でチームに貢献できるからこそ、華やかなプレーを見せるチャンスも手にできる。プロバスケットボール選手になるための一生モノの財産を手に入れた。

代表試合で体感した海外勢の迫力

2つ目の転機は、東海大学3年生のときに訪れた。 初めて日本代表に選ばれたのだ。代表入りが決まると後藤からはすぐに電話があった。だが、恩師は祝福するだけではなかった。

「おめでとう。でも、ここからが本当のスタートだぞ。おまえには活躍して欲しいと思っている。だから、頑張れ!」

日本代表の一員に選ばれた瞬間から、どうすれば活躍できるか考えていた田中だが、他の国の代表チームと実際に試合をしたときに、それまでの自分の考えの甘さを思い知った。

ドリブルをするプロバスケットボール選手

「何より大きかったのは、メンタルです。海外の選手は『襲いかかってくるのではないか』というくらいの迫力と気持ちをもって戦っていたんです」

「それまでは海外の選手に対して『身体が大きい』というようなぼんやりとした情報があるくらいでした。でも、実際に対戦してみて、その違いを肌で感じましたね。プレーの力強さやプレースタイル自体もそれまでに経験したものとは全く違うものでした。何より大きかったのは、メンタルです。海外の選手は『襲いかかってくるのではないか』というくらいの迫力と気持ちをもって戦っていたんです」

このままではいけない。これまで取り組んできたバスケットボールは、日本という国の中だけのものだったんだ。世界の広さを感じた気がした。

「あの経験は大きかったですね」と振り返る。 田中は決して雄弁なタイプではない。コート上での1つひとつのプレーで、海外の選手と戦っても負けないような厳しさを体現しようと考えるようになった。

「代表で得た経験を、大学に戻ってチームメイトにも共有しようと心がけました。周りの選手たちも、代表での試合や練習ではどんなことを感じたのかを聞いてくれて、お互いに高め合おうというムードがすごく強くなったんです」

言葉ではなく、態度で見せて、高みを目指す。 結果、大学3年生と4年生のとき、2年連続で、大学の日本一を決めるインカレで優勝できた。自分のレベルアップだけではなく、仲間と一緒に高め合いたいと考える。それはチームワークが求められるバスケットボール選手として大切な資質である。

選手は見られて強くなる

プロバスケットボール選手の顔写真

「たくさんの方が見てくれるからこそ、良いパフォーマンスを見せたいという思いが強くなりました」

そして、3つ目の転機となるのが、Bリーグの開幕だ。 2016年、それまで2つあったリーグを統合した男子のプロバスケットリーグとして設立されたBリーグ。それ以前から、日本を代表する強豪の一員として注目されてきた田中だが、プロリーグ発足による変化をもっとも実感するのは、ファンの存在に触れるときである。明らかに観戦に訪れるファンの数が増えた。

「たくさんの方が見てくれるからこそ、良いパフォーマンスを見せたいという思いが強くなりました。初めて会場に見に来てくれた人が、『面白いな』と感じてくれたら、『また見に来たいな』と思ってくれるかもしれないですから」

ファンの目はBリーグの選手たちの成長を促す。アスリートは見られて強くなる。

いま、すべての試合がスポナビライブで放送されることもあり、いつでも試合を見られる環境が生まれた。Bリーグのファンの大半が10〜20代。スマホで見られる環境は、よりBリーグを身近に感じることができる。

冷静なプレーを持ち味とする田中が、力を込める。

「いままでだったら、会場に来た人にしか見てもらえないことがほとんどでした。高校時代のチームメイトなども、自分のホームゲームのときに会場に応援に来てくれることも多いのですが、アウェーゲームもスポナビライブでチェックしてくれたりするみたいで。僕のシュートの成功率など、細かい数字などもチェックして、すごく厳しいことを言ってきたりもしますから(笑)」

笑顔を見せてから、こう続けた。

「でも、嬉しいことですよね。そうやって応援してくれるわけですし、それができるような環境が整ったんですから」

今シーズンからはBリーグのシーズン中にも日本代表の合宿が組まれるようになり、以前よりも多忙な日々を送っている。

「そのなかで自然と、コンディションに気を使うようになっています。何よりも優先するのはバスケットのこと。厳しいスケジュールのなかで、プロとして良いパフォーマンスを出すためにどうしたらいいのかを考えて生活していますし、それによって普段の生活も変わってきているなと思っています」

そう話す表情は、凛としたものだった。 バスケットボールを観るファンにも、プレーする選手にも幸せな日常がある。それこそが、スポナビライブの全面的なバックアップのなかで一歩ずつ、確実に日本のバスケットボールがステップアップをしている何よりの証拠なのである。


田中選手が出場するアルバルク東京の試合を含め、以下試合を無料ライブ配信! スポナビライブ 初回最大1カ月無料!

4/29(土):

4/30(日):


Text by ミムラ ユウスケ:フリーライター。2006年7月に活動をはじめ、2009年1月にドイツへ。ドイツを中心にヨーロッパでスポーツの取材をする。16年9月22日、Bリーグ開幕日から拠点を日本に。内田篤人との共著『淡々黙々。』や、岡崎慎司の著書『鈍足バンザイ!』の構成も手がけた。

Photo by 今村拓馬



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