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アメリカのトランプ次期米大統領の首席補佐官は1月15日、次期大統領を公に批判する政府機関のトップに名指しで警告した。
ラインス・プリーバス氏は政治討論番組「This Week」の中で、トランプ次期大統領の自身の事業経営からの身の引き方について「まったく不十分」と評した政府倫理局(OGE)のウォルター・シャウブ局長を強く非難した。
「OGE局長は慎重であるべきだ。彼はあまりにも政治的になっている」とプリーバス氏は述べた。
「OGEのあの人間は何なんだ。どういうつもりであのような意見を言っているのか」
トランプ氏は先週の記者会見で、利益相反を回避するために、自らの事業の経営を息子のエリックとドナルド・トランプJr. の2人に移譲することを明らかにした。さらにトランプ氏の大統領在任期間は、外国と取引しないと約束した。
しかし、OGE局長は次期大統領が海外事業を展開している企業のオーナーであり続けることは利益誘導につながる余地があり、憲法違反の可能性があると指摘している。
独立した監視機関として公職者の利益相反行為を監視する組織の長であるシャウブ局長には、トランプ氏の利益相反回避に対する疑念を明言していることから、共和党による非難が集中している。
シャウブ局長は先週、「トランプ次期大統領の計画は、過去40年の歴代大統領の行動規範に合うものではない」と述べている。
「事業経営から退くだけでは、利益相反回避という点では意味がない。大統領というのはフルタイム・ジョブだ。それ以外のあらゆるものを手放さなければならない」
(翻訳:十河亜矢子)