世界の行く先を見つめ続けるビル・ゲイツの7つの「予言」

ビル・ゲイツ氏

REUTERS/Rick Wilking

ビル・ゲイツ氏の肉体は現在にあるが、頭脳は未来を生きている。

億万長者にして慈善活動家でもある彼は、ライフワークとして、コンピュータ、公衆衛生、環境の各分野で未来を予測することに取り組んできた。

過去には、スマートフォンやSNSが世界を席巻することを言い当てた。そして最近の「予言」も、的中するかもしれない。

ゲイツ氏が私たちの世界の未来をどのように思い描いているか、以下で紹介していくことにしよう。

バイオテロによって1年足らずのうちに3300万人の命が奪われるだろう。

防護服を着用した人々が伝染病で亡くなった人を埋葬している

Baz Ratner/Reuters

テロリストが空気感染する病原体を散布する可能性がある。それこそが、世界中の人々の健康に関わる最大の脅威のひとつだとビル・ゲイツ氏は述べた。今年2月にドイツのミュンヘンで開催された会議での発言だ。使用されるとすれば、それは強い感染力を持つ人工合成ウイルスや、通常よりもはるかに高い致死性を持つ新型インフルエンザだという。

「(疫学者たちの間では)今後10〜15年以内に世界がこうした疫病の流行を経験する恐れが十分にあると言われている」とゲイツ氏は指摘。病原体によっては、わずか1年間で3300万人の命が奪われかねない。

そのため、ゲイツ氏率いる財団は、世界規模で取り組むべき最優先課題のひとつとして、感染症の封じ込めに役立つワクチン開発の強化を挙げている。

アフリカで食料の完全な自給自足が可能になるだろう。

アフリカの食料市場

Flickr/shawnleishman

アフリカの農業生産性は2030年までに50%上昇し、アフリカ大陸全体で自給自足が可能になるだろう ―― これは2015年の「ゲイツレター」と呼ばれる年次書簡の中の予言だ。

現在、サハラ砂漠以南の住民の70%が農業に従事しているにもかかわらず、アフリカ大陸は約500億ドル(約5兆6600億円)相当の食料を毎年輸入している。

「このような皮肉な状況は、農業分野におけるイノベーションによって、今後15年間で解消されるだろう。世界ではより良い肥料や、栄養価が高く、干ばつにも病気にも強い、生産性の高い作物が開発されている。こうした肥料や作物、その他のテクノロジーの恩恵を受けられるようになれば、理論的にはアフリカの農家はその収穫量を2倍に増やすことができる」とゲイツ氏は記した。

モバイルバンキングが貧しい人々の生活を変えるのに役立つだろう。

携帯電話で電子マネーを送金する様子

REUTERS/Noor Khamis

現金を手に入れるのが難しいアフリカの国々では、医療、食料、教育、修理など、人々は何にカネを使うのか、たびたび厳しい選択に迫られる。

ゲイツ氏は、その原因が銀行インフラの乏しさにあるという。M-PESAのような金融サービスは、ケニアやウガンダなどでネットバンク口座へのアクセスを提供している。かつて銀行サービスを利用できなかった人々が、こうした口座を使って貯金をできるようになった。

ゲイツ氏は2015年の年次書簡にこう記した。

「現在銀行口座を持たない20億人の人々も、2030年までには携帯電話を使って貯金や支払いをするようになるだろう。その頃には利息付きの預金口座から保険クレジットに至るまで、総合的な金融サービスが受けられるようになるだろう」

2035年までに貧困国はほぼなくなるだろう。

ベッドで眠っている乳児を見守る黒人女性

Thomas Mukoya/Reuters

国際社会が現在のレベルで援助を続けていけば、ほとんどの国は2035年までに貧困国ではなくなるだろう。そんな大胆な予言を、ゲイツ氏は2014年の年次書簡の中で書いた。

ゲイツ氏は「貧困」の定義を世界銀行同様、1日当たり1.90ドル(約210円)未満で生活する状態としていて、現在約35カ国がこれに該当する。

「ほぼ全ての貧困国が、現在『低所得国』と呼ばれている国の水準に達するか、それを上回るだろう。どの国も近隣の最も生産的な国から学び、新しいワクチンや品種改良された種子、IT革命の恩恵を受けるだろう」とゲイツ氏は記した。

2030年までに、世界の電力事情を改善するクリーンエネルギー革命が起こるだろう。

小高い丘に立ち並ぶ風力発電機

lollie-pop/Flickr

ゲイツ氏は2016年、より希望に満ちた予言を述べた。今後15年以内に世界の大部分で、風力、太陽光、その他の再生可能エネルギーによって電力が供給されるようになるだろうと彼は述べた

「我々が直面している課題は大きく、それは多くの人々の想像を超えるかもしれない。しかしだからこそ、これはチャンスだ」とゲイツ氏は年次書簡に書いた。彼が訪れた貧困国の多くでは、水も電気も供給されていない。つまり、夜になると家で明かりをつけたり、電気を使うこともできず、ビジネスを続けることも、地域の生命線となる医療センターを運営することもできないのだ。

ゲイツ氏は次のように書いた。「人類が安価でクリーンなエネルギー源を発見できれば、気候変動を食い止められるだけでなく、何百万もの最貧困世帯の生活を根本から変えられるだろう」

自動化によって大量の仕事が奪われるだろう。

開発中のヒューマノイドロボットの写真

Reuters/Issei Kato

今後20年以上で、国中の倉庫や工場で人間の労働者に代わって自動化ロボットを利用する体制が整えられるとゲイツ氏はいう。どの産業で最も自動化が進むかにもよるが、結果として数百万人とは言わないまでも、数千人の労働者が解雇されるだろう。

「分野によっては、人間からロボットへの置き換えが急激に進み、もはや後戻りできない域にまで達するだろう」とゲイツ氏はQuartzに語った。こうした未来を思い描く一方で、彼は政府が人間から徴収していた所得税分の税収を確保するため、ロボットに課税することも提案している。

2019年までに人類はポリオを撲滅できるだろう。

1985年から2016年までの期間に世界全体で新たに報告されたポリオ症例数の遷移を表すグラフ

Gates Letter

世界保健機関(WHO)によると、2016年に世界全体で新たに報告されたポリオの症例数は37例だった。1980年代後半に比べると、症例数は400例以上減少したことになる。ポリオ患者は現在、世界全体で数百人程度と言われており、ゲイツ氏はポリオが天然痘に次いで2番目に地球上から撲滅された病気といわれる日が来ることを期待している。

「世界中のポリオ関係者は現在、撲滅計画の総仕上げに取り組んでおり、わたしは2019年までにポリオの撲滅が実現すると信じている」とゲイツ氏は2013年の年次書簡に記した。その上でワクチン接種の啓蒙活動をさらに広めていく必要性にも言及した。

「ポリオの撲滅は、かつて年間40万人を超える子どもたちを苦しめていた病気を止めるという以上の遺産を人類にもたらすだろう」

source: Flickr/shawnleishmanlollie-pop/Flickr 、 Gates Letter

[原文:7 wild predictions Bill Gates has made that could come true

(翻訳:本田直子)

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