「ポスト・バフェット」に質問が集中 —— バークシャーの年次総会に影

ウォーレン・バフェット氏

ウォーレン・バフェット氏

Jim Young/Reuters

ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハサウェイの年次総会は「資本主義のウッドストック」と呼ばれてきた。同氏とパートナーのチャーリー・マンガー(Charlie Munger)氏が毎年、屋台や余興を用意し、フェスティバルのようなムードで盛り上げてきたからだ。

しかし、5月6日に開かれた今年の年次総会はやや沈んだムードに包まれた。

長時間にわたる質疑応答セッションのかなりの部分が、2つの話題に集中した。バフェット氏の後継者問題と、同社が犯した数々のミスについてだ。

「今晩、わたしが死ねば、明日の株価は上がるだろう」バフェット氏は冗談を飛ばした。

また、2人がどのように意見を交換しているのかとの質問には、マンガー氏が「それも長くは続かないだろう」と応じた。

バフェット氏は後継者に求める人物像を語り、バークシャーを継ぐ人物の報酬体系にまで踏み込んだ。

両氏が自らの死後について語ることは特に珍しくはない。2人は高齢をネタにしたジョークをよく飛ばす。だが、後継者に関する質問が集中したことと、それに対する回答の長さは、バークシャーの後継者問題が差し迫った状況にあることを浮き彫りにした。

また両氏は、成功しなかった取引や、自分たちが投資しなかった企業の話に多くの時間を割いた。2人はアマゾンCEOのジェフ・ベゾス氏を称賛しながら、アマゾンに投資しなかったことは失敗だったと語った

「自分はばかだった。何が起きているのか理解できなかった」とバフェット氏。

さらに両氏は、ウォルマートとグーグルへの投資機会を逃した過ちも認めた。バフェット氏は4万人近い出席者を前に、この2つの企業に投資しなかったことを「最大の失敗」と呼んだ。

「分かっていながら、投資しなかった」とマンガー氏は付け加えた。

バフェット氏はIBMに対する巨額の投資と、それがうまくいっていないことについても触れた。IBMへの投資では、4月19日の時点で損失が約7億8700万ドル(約890億円)に上った。同氏は5月5日、アメリカの経済専門局CNBCに対し、保有するIBM株の約3分の1を売却したと述べた

「6年前にIBM株を買い始めた時は、この6年間でもっと価値が上がると思っていた」

また、バークシャーが大株主となっている大手銀行ウェルズ・ファーゴについても、偽口座疑惑など3つの大きな過ちを犯したと批判した。

年次総会でのその他の話題も、サイバーセキュリティ問題が世界に与える脅威伝統的な小売業の凋落医療保険制度の失敗など暗いものだった。

バフェット氏はアメリカ経済について、持ち前の強気な長期的展望を繰り返したが、目前の各業界や各企業、そしてバークシャー自身の現状への懸念を強めているようだった。

バークシャーの年次総会のお約束である軽食や時に交わされる両氏の軽口は全ていつも通りだった。しかし、迫り来るバフェット氏の後継者問題が、総会に影を落としていたことは否めない。

[原文:DEATH AND REGRETS: Warren Buffett's big annual meeting was sort of depressing

(翻訳: Tomoko.A)

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