四半期決算報告会で競合各社の手法を非難したSnapchat CEOのエヴァン・シュピーゲル氏
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アナリストが最も重視するSnapchatの評価指標は、1日あたりのアクティブユーザー数の伸びだ。
Snapchatを運営するSnapは5月10日水曜日(現地時間)、上場後初の四半期決算を公表、ユーザー数の伸びが鈍化していることが明らかになった。2017年の第1四半期のアクティブユーザーは1億6600万人、新規ユーザーは800万人。問題ない数字のように思えるが、同社の現状の評価額に見合う数字ではなかった。
もちろん、決算報告会で最初に出た質問はDAU(デイリーアクティブユーザー数)に関するものだった。CEOのエヴァン・シュピーゲル氏は回答を準備していたようだ。同氏は、競合各社が過剰なプッシュ通知とさまざまな「グロースハック」を使ってユーザー数をごまかしていると非難した。
「いつも同じ質問なので、DAUについての詳細な回答は控えておきたい。いつもこの件の質問が絶えないのは、ユーザーに何度も通知を送ったり、ユーザーに何か不自然な操作を促す、いわゆる『グロースハック』と呼ばれるさまざまな手法がこの業界では広く使われているせいだと思う」
ネット上には、同氏のこのコメントは、FacebookやInstagramが使用している手法を指しているという声が上がっている。
シュピーゲル氏はSnapの長期的な成長戦略を説明するにあたり、InstagramやFacebookが使う(プッシュ通知などの)「グロースハッキング」を非難した。
同氏は、競合他社が行う「グロースハッキング」のような手法が、Snapchatにとって良いものになるとは考えていない。その代わりに、Snapchatがいかにユーザーのアプリ利用時間を伸ばそうとしているかについて回答した。
またSnapchatが過去に「グロースハッキング」をやめた例をあげた。
「アプリを使い始めた直後に、電話帳の友達全員を追加するようユーザーに促していたら、ユーザーは気軽に写真を撮って、ストーリーに追加できなかっただろう。(友達全員を追加していたら)誰が実際に見ているか分からなくなるから」
Snapchatの子犬フィルター
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「クリエイティビティ」を大切にし、Snapchatをより使いやすく、より楽しくしていけば、ユーザー数は自然と伸びるだろうとシュピーゲル氏は語った。
「我々にとって、DAUを伸ばすことは、クリエイティビティと同じことだ。Snapchatレンズ(顔を加工できる機能)が、クリエイティビティを爆発的に向上させることができたのは、障害を限りなく小さくしたからだ。ユーザーは自分の顔が子犬か何かに変化することを楽しんでいる」
「ユーザーがアプリを楽しむプロセスを妨害するものをより少なくできれば、多くのユーザーが自分自身を表現することをもっと楽しむようになり、DAUの成長につながると我々は信じている」
(翻訳:Satoru Sasozaki)