アップルは自動車ではなく、それ以上のものに取り組んでいる

テスラのダッシュボードのクローズアップ

テスラのダッシュボードの中央にある大きなスクリーン。いかにも便利そうだ。

David van der Mark / Flickr, CC

謎に包まれた「アップルカー」の動向が、妙だ。

アップルは、自動車開発と見られる秘密計画「プロジェクト・タイタン(Project Titan)」のために1000人を採用したが、昨年後半、そのうち数百人をレイオフした。これは定期的な実験の1つだとする見方もある。つまり、アップルは自動車の製造に必要なことを見極めた上で、計画を中止したのだという。

しかし、Business Insider UKのサム・スヘッド(Sam Shead)は、最近、自動車に注力している秘密のアップルのオフィスをベルリンで発見した。エンジニアは自動車関連企業から採用され、一部は地図に関するプロジェクトに取り組んでいる。

結局、アップルは自動車に取り組んでいるのか?

UBSのアナリスト、スティーブン・ミルノビッチ(Steven Milunovich)氏は、最近、Asymco.comのホレス・デディウ(Horace Dediu)氏およびAboveAvalon.comのネイル・サイバート(Neil Cybart)氏を対談に招き、「プロジェクト・タイタン」で何が起きているのかを尋ねた。デディウ氏とサイバート氏は以下の4点を指摘した。

  • 自動車関連市場は、「5~15兆ドル(約568~1704兆円)規模と見られ」、アップルがすでに参入しているITやヘルスケアよりも市場規模が大きい。
  • 「自動運転によって、自動車の所有が激減する」
  • 「アップルはセンサー、ドライビング、​​マッピングに関する専門技術を開発している」
  • 要するに、「『プロジェクト・タイタン』は、移動に関するプラットフォームである可能性が高い。自動車というより体験全体だ」

5兆ドルの市場規模は極めて重要だ。アップルが成長を続けるためには巨大な市場に参入するしかない。同社の規模を考えると、参入する市場は数十億ドル規模でなければならない。でなければ意味がない(例えば、Apple Watchは素晴らしいウェアラブル・デバイスだが、アップル内部に目立った変化をほとんど起こしていない)。

もう1つ重要なポイントは、アップルが「移動に関するプラットフォーム、つまり体験全体」に目を向けているだろうということだ。

テスラのダッシュボード

iOSのようなオペレーティングシステムが必要になる。

Steve Jurvetson / Wikimedia CC

考えてみて欲しい。

将来、ドライバーが不要になれば、私たちは車内で何をするだろうか? エンターテインメント、コミュニケーション、さらに仕事に関するアプリが必要になるはずだ。アップルは、もう他のデバイスで取り組んでいる。

今後、自動車にはナビ、Wi-Fi、ブロードバンド接続が必要になるだろう、そしておそらく独自のオペレーティングシステムも必要となる。これも、すでにアップルが手がけていることだ。

さらに合わせて考えたいのは、アップル周辺から漏れ聞こえてきたもう1つの噂だ。アップルは、ホームユース向けに、ディスプレイを備えた音声アシスタントAIを搭載したスマートスピーカーを開発していると言われている。アップルはすでに、iPadやSiriに取り組んでいる。料理中にキッチンで話しかけることができるスタンドアロン製品に何か新しいチャンスがあるとしたら、アップルはすでにあと少しのところにいる。Apple Homekitはそのための種まきなのかもしれない。

iPad、スマートスピーカー、Homekitでの体験を、自動運転や車の制御をiOSのようなインターフェースで行うようにするには、そう長くはかからないだろう。

テスラのダッシュボード(記事上部の写真)を見て欲しい。大部分はコンピュータスクリーンになっている。

アップルがここを見逃すはずはない。

source:David van der Mark / Flickr, CCSteve Jurvetson / Wikimedia CC

[原文:Apple isn't working on a car ― it's working on something much bigger

(翻訳:梅本了平)

関連記事

Recommended

Sponsored

From the Web