グーグルは近年、YouTubeがティーンエイジャーやミレニアル世代にとって最もクールなブランドであると主張していたが、BI Intelligenceの新しい調査データに照らし合わせると少々疑わしい。調査では、若年層よりも年齢が高い層の方がYouTubeにポジティブな印象を持っていることが明らかになった。
これは重要なことだ。ミレニアル世代(18歳〜34歳)が注目を集めているとはいえ、ベビーブーム世代(56〜70歳)は依然として魅力的な市場ターゲットということだ。ベビーブーム世代は、アメリカで最も裕福な世代だ。デロイト(Deloitte)によると、彼らはアメリカの全世帯資産の約50%を占め、それは少なくとも2030年まで続く。アメリカ国勢調査局の概算によると、ベビーブーム世代はミレニアル世代にわずかに及ばないものの、2番目に人口が多い世代であり、その数は7500万人近くに上る。この裕福で人口の多い世代がYouTubeに対して好意的な印象を持っているという調査結果は、企業がYouTubeのより良い活用方法とターゲット層を検討する際に役立つだろう。
ベビーブーム世代は、YouTubeは不正な動画を提供しないだろうと見なす傾向が強い。一方で、ミレニアル世代はYouTubeがそうしたコンテンツを排除しているかどうかにはやや懐疑的だ。つまり、企業は自社の広告が誠実な印象を与えるだろうという自信を持ってベビーブーム世代のYouTubeユーザーにリーチすることができる。自社のブランドや信頼に傷がつくことを恐れる必要はない。加えて、ベビーブーム世代はミレニアル世代よりもYouTube広告を不快に思わない傾向があるため、広告は特に受け入れられやすいだろう。
ミレニアル世代はYoutubeには偽ニュースがあると考える傾向が強い。このグラフは「不当なコンテンツ(偽ニュース、詐欺広告、釣り見出しなど)が表示される頻度が最も少ないと思われるサービスはどれですか?」という質問に対して「YouTube」と答えた人の割合。
BI Intelligence
さらに、ベビーブーム世代は若年層よりもYouTubeのコンテンツをシェアする傾向が強い。つまり、YouTubeを使えば、企業はコンテンツのシェアに積極的なベビーブーム世代にリーチし、動画が拡散するきっかけを作ることができる。成功例は無数にある。例えば、ボルボが、ジャン=クロード・ヴァン・ダムを起用した「Epic Split」は、8600万回以上再生されている。ダヴの「Real Beauty Sketches」は6800万回近く再生されている(日本語字幕版はこちら)。そしてスタートアップ、Dollar Shave Clubの伝説的な動画は、何百万という人たちに企業名を知らしめ、最終的にはユニリーバに10億ドルで買収されるまでになった。
ベビーブーム世代は、Youtubeコンテンツを他の世代の2倍以上シェアする。「コンテンツをシェアする可能性が高いサービスはどれですか?」という質問に対して「YouYube」と答えた人の割合。
BI Intelligence
YouTubeは、BI IntelligenceのDigital Trust調査の消費者安全性において最下位となった。だが、ベビーブーム世代はYouTubeを見捨てていない。実際、ベビーブーム世代はYouTubeに親しみを感じており、ミレニアル世代よりも積極的にYouTubeコンテンツにかかわる可能性が高い。彼らをターゲットとすることで、企業はビデオや広告に対するより多くの反響を獲得し、自社や自社ブランドについての話題を盛り上げることができるだろう。
ベビーブーム世代は、ミレニアル世代よりもYoutubeを安全だと見なしている。「最も安心して投稿し、参加できるサービスはどれですか?」という質問に対して「YouTube」と答えた人の割合。
BI Intelligence
画像作成:BI Intelligence
[原文:YouTube scores higher with older age groups than millennials (GOOG)]
(翻訳:Keitaro Imoto)