ネオベジの「ONDISH」を使った料理。サラダや唐揚げの衣に振りかけて使うという
撮影:滝川麻衣子
主婦に特化した派遣会社のビースタイル(東京都新宿区)は5月12日、働く母親をターゲットにした新サービスとして、食品事業に参入すると発表した。「働くママとその家族の健康な食生活を実現する」を理念に掲げ、グループ会社としてネオベジ(同)を新たに設立。第一弾として、北インド原産のスーパーフードを原料とした健康補助食品の販売を「母の日」の14日から始める。新会社の社長も兼務するビースタイルの三原邦彦社長は同日、会見し「主婦雇用を年間1万人創出する企業の社会的責任として、家事に仕事に忙しい女性の課題解決に取り組みたい」と、新規事業にかける思いを語った。
「働きたくても働けない女性に道を拓いてきた自信はある。一方で、ただでさえ家事に育児に忙しい母親をさらに忙しくさせてしまった『功罪』を感じている」
会見で三原社長はそう明かし、「顧客サービスとして働く分野だけでなく、家の中の支援もしようと考えた。職だけでなく食もサポートしたい」と、異分野への挑戦理由を説明した。
ふりかけるだけで栄養素
5月1日に設立したネオベジは、100%自然食品だけを配合した健康補助食品「ONDISH(オンディッシュ)」を発売する。欧米で話題を呼んだスーパーフード「モリンガ」という北インド原産の植物をベースに、えんどう豆から取ったタンパク質やカルシウムを含むパールパウダーを加えた。ミネラルやビタミンを補う目的で、カレーやサラダ、味噌汁など普段の食事に振りかけて使うという。
1箱税別2800円で、発売1年間で1万箱の販売を目指す。今後も、モリンガを原料とした補助食品のバリエーションを増やす予定という。働く女性は増加するとみて、手軽に食卓に栄養素を加えられる商品の需要拡大を狙う。
「職と食をサポートしたい」と話す三原社長
撮影:滝川麻衣子
開発担当者の小嶋ともこさんは、自身も2児の母で「自分の子どもに安心して食べさせられるものをと、無添加にこだわり抜いた」と話す。ビースタイルの派遣社員として働いた経験をもつという。
総務省の社会生活基本調査(2011年)によると、1日あたりの家事関連時間は男性が42 分、女性は3時間35分。共働き家庭の数が右肩上がりの中、女性の家事負担は相変わらず大きい。また、ビースタイルの調査機関しゅふJOB総研が主婦を対象に実施したアンケートでは「家庭で時間がとられて負担なので短縮したいと感じていること」でもっとも多かった回答は「料理」の55.9%だった。
2002年創業のビースタイルは、女性人材を得意とする派遣会社。時短で働くハイスキル人材や、主婦派遣に特化したサービスに力を入れ、創業以来、延べ6万人の雇用を創出。現在23万人の登録者を抱えている。