DJキャレドとフォトグラファーのキークは、WeBuyGoldで新しい連載を始める。
WeBuyGold
- スタートアップ企業Naritivは、Snapchatのインフルエンサーと企業をつなぐビジネスを立ち上げた。
- 同社は「WeBuyGold」というメディアを立ち上げ、「一時的な」音楽コンテンツに焦点を当てている。
- 顧客をより早く獲得するため、同社はSnapchatからInstagramに移行している。
つい最近まで、メディア起業家としてモバイルに夢中なミレニアル世代の若者の心をつかもうと思ったら、とにかくSnapchatを活用しただろう。DJキャレド(Khaled)が大成功を収めたのも、Snapchatのおかげだ。
しかし今、Snapchatの初期のコンテンツを作り上げ、成功を収めてきたパイオニアたちは、Instagramに移行している。DJキャレドもだ。
ロサンゼルスにあるスタートアップ企業Naritivは2014年後半、Snapchatを使ったビジネスを立ち上げ、企業のマーケターとSnapchatのインフルエンサーをつないできた。
現在、同社はマーケティングサービス企業からデジタルメディア企業へと、ビジネスモデルの転換を試みている。「WeBuyGold」という新しいメディアを公開したのだ。
そして、WeBuyGoldを軌道に乗せるために、同社はSnapchatではなく、Instagramに注力している。
クールな若者
Naritivの共同創業者でCEOのダニエル・アルトマン(Daniel Altmann)によると、同社がInstagramに注力することになったのは、Instagramのストーリー機能の爆発的な成長がきっかけだ。Instagramのストーリー機能は、Snapchatを後追いした機能だが、1日あたりのユーザーが数が2億人に達した。また、Facebookアプリを使えば、さまざまなデータ解析も可能。つまり、メディア企業にとっては、集客を効率的に行い、どのコンテンツが受けていて、実際に儲けを生み出しているかを確認できるツールとなる。
Jason Merritt/Getty
またアルトマンは、Instagramのライブ動画機能、そしてそれ以上に、写真に特化したプラットフォームを活用している才能ある人たちに感銘を受けていると語った。Snapchatで大人気となったDJキャレドもその1人だ。ヒップホップの大御所であるDJキャレドは先月、WeBuyGoldでの一連のプロジェクトに着手するとともに、同社のクリエイティブ・ディレクターに就いた。
「メディア企業にとって、Instagramは従来のウェブサイトと同様の役割を果たすだろう。Instagramはスマホ上であらゆることを網羅する場になりつつある。そして我々はこのダイナミックなプラットフォームを追い続けている。昨年、Instagramは我々の興味を刺激し続けた。我々も様々な方法でInstagramを利用している」とアルトマンは語った。
WeBuyGoldのビジョンは、スマホに夢中でテレビには興味がない世代向けに、音楽中心のデジタルメディアを作り上げること。WeBuyGoldは複数のソーシャルアプリで展開中だが、今、Instagramに最も注力している。同社はもともとSnapchatでビジネスを開始したのだが。
WeBuyGoldには、Third Wave Digital、ディズニー、Techstars、Greylock Partnersなどが投資している。
ブランドではなく、友だち
SnapchatはInstagramとは異なる哲学を持ち、ユーザーが自然と企業アカウントなどを見つけ、フォローできるようにしている。Snapchatは、ユーザーのクリエイティビティを刺激するアプリを目指している。そのため、企業アカウントにも友だちのようなスタンスでユーザーと接することを求めている。
「Snapchatは企業ではなく、友だちを求めている」とアルトマン。
小さなデジタル企業のInstagramへの移行が、Snapchatの基盤を揺るがすことはない。Naritivは現在までに430万ドル(約4億8800万円)を調達し、7人の社員を抱えているが、まだこれは人気を集めているストーリー機能と、圧倒的な成長を続けているInstagramの勢いを表す小さな成功例でしかない。しかし、同社の成功は、Snapchatの新規ユーザー獲得数が減速していることを踏まえると、より輝いて見える。
メディア企業として生まれ変わる前のNaritivは、Marriott、Red Bull、ケーブルネットのFreeformなど、何百もの広告主をインフルエンサーとつないだ。
同社はディズニーのインキュベーション・プログラムから誕生し、Snapchatに特化した広告代理業と、テック企業としての機能をあわせ持っていた。同社は今年初めに独自の解析ツールをHootsuiteに売却した。
しかしアルトマンは、メディアビジネスに特化しつつも、メディアを使った広告ビジネスも計画していると語った。同氏によると、WeBuyGoldはInstagram向けに、音楽やライフスタイルのコンテンツを発信する。また土曜朝のアニメを復活させたり、ミュージシャンの撮影で知られるInstagramアーティストCam Kirk(キャム・キーク)のコンテンツなどを予定している。
「我々は『一時的な』コンテンツと、モバイルコンテンツは同じだと考えている。ビジネスモデルの転換を決めた時、我々は『新しいタイプのメディア企業になる』と決めたのです」
(敬称略)
[原文:A startup that built its business on Snapchat is going all in on Instagram with DJ Khaled's help ]
(翻訳:一柳優心)