The Inner Circle共同創業者のデビッド・バーミューレン氏とマイケル・クレインホフ氏
The Inner Circle
2013年にヨーロッパでリリースされた会員制出会い系アプリThe Inner Circleは「Tinder疲れ」を感じるアメリカの独身ユーザーを獲得しようと奔走中だ。
LinkedInのプロフィールを使って入会審査を行うThe Inner Circleは、5月第2週にロサンゼルス、サンフランシスコ、ヒューストンでサービスを開始、アメリカでのサービス拡大を目指す。昨年10月にニューヨークでサービスを開始した際には、最初の3カ月で3万2000人が入会した。
「ニューヨークやボストンを筆頭に、アメリカは我々にとって最も急成長しているマーケット。今回サービスを開始したサンフランシスコ、ロサンゼルス、ヒューストンも合わせると、今年中にアメリカが我々の最大のマーケットになると考えている」と同社の共同創業者、マイケル・クレインホフ(Michael Krayenhoff)氏は語った。
「我々のサービスがアメリカで成功しているのは、アメリカのユーザーが『Tinder疲れ』のようなものを感じており、より有意義な出会いを、簡単な方法で行いたいと考えているからだろう」
TinderやHappnのように、スピードや、いかに多くのプロフィールを閲覧できるかを重視した出会い系アプリとは異なり、The Inner Circleでは、ユーザーに簡単な自己紹介以上のかなり詳細な個人情報を公開してもらう。その代わり、高級な会場でパーティーを開いたり、海外に行く予定がある際には、その地に住む会員に知らせることも可能だ。
同社が主催するパーティーに参加した会員たち
The Inner Circle
しかし、Tinderのような数千万人ものユーザー数を誇る競合アプリと比較すると、The Inner Circleの規模はまだまだ小さい。
同社によると、現在、会員数は28万人。選ばれた人のみのエリート・コミュニティーなので、入会を拒否される人もいる。
「我々は最終的に、同じような趣味嗜好を持ち、お互いのキャリアを刺激し合えるような親密なネットワークを作りたいと考えている。業界にかかわらず、大切なのは人生に対して向上心や情熱を持っているかどうか。このクオリティの高さが、The Inner Circleが世界中の会員の期待に応えられている理由だ」とクレインホフ氏は米Business Insiderに語った。
ロンドンで成功している出会い系アプリThe Leagueに多くの点で似通っている同アプリだが、クレインホフ氏は収益が上がっていると述べている。だが、同氏は財務状況を明らかにしていない。
同社は、ロンドン、ベルリンの他に、アムステルダム、バルセロナ、ミラノ、パリ、ストックホルムでもサービスを展開している。
同社はアプリの有料バージョンや、年間を通して開催されるイベントから収益を得ている。ロンドンの南西部リッチモンドで開催した、1人25ユーロ(約3000円)のポロのイベントはその一例だ。
クレインホフ氏は、キャッシュフローが順調に伸びているので、現段階で資金調達を行う必要はないと述べた。
[原文:Elite dating app The Inner Circle is going after 'Tinder-tired' people in the US]
(翻訳:Satoru Sasozaki)