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ランサムウェアの拡大から世界を救った22歳

マーカス・ハッチンス

マーカス・ハッチンス氏

マーカス・ハッチンス氏

世界中に被害を及ぼしているランサムウェアの拡大を食い止めたと話題になっている人物がいる。22歳のマーカス・ハッチンス(Marcus Hutchins)氏だ。

イギリスのサイバーセキュリティ研究者であるハッチンス氏は、WannaCryと呼ばれるランサムウェアの拡大を、実家の寝室から食い止めたことで注目を浴びているThe Telegraphによると、彼はイギリス南西部のリゾート地に住んでいる。

ハッチンス氏は、自作のIT設備の写真を5月14日の夜(現地時間)に投稿した。複数のサーバーと少なくともモニター3つ、それとゲーム機が写っている。報道によると、彼は独学でプログラミングを身につけ、ハッカーの間では有名なラスベガスのDefconカンファレンスにも参加している。

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Twitter/MalwareTechBlog

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彼はTwitter上では「MalwareTech」と名乗り、自身を「偶然のヒーロー」と称した。WannaCryが感染先を追跡するために使用していたドメイン名を取得したことによって、偶然ではあったが、拡大を食い止める結果になった。彼は詳細な経緯を自身のブログの投稿「世界的なサイバー攻撃を偶然に止めた方法」で明かしている。

「仲の良い友人で研究仲間でもあるカフェイン(Kafeine)氏の助けもあり、マルウェアのサンプルを即座に入手することができた。分析環境でそのサンプルを実行した際、マルウェアが未取得のドメインにアクセスしていることを発見し、そのドメインをすぐに取得した」

「我々がドメインを取得してから、WannaCryの拡大が止まり、身代金を要求されるコンピューターはなくなった。逆解析して、原因が本当に私が突き止めたものだったかを3回確認するまで黙っていたが、今ではダリエン(Darien)氏(WannaCryについて独自に調査していたエンジニア)が原因を明らかにしたツイートにアクセスが集中している)」

サーバーツイート

Twitter/MalwareTechBlog

うるさくて、壁越しにでも音が聞こえるから、自宅サーバーは持つべきじゃないとみんなが言ってた

情報セキュリティー会社、Fidusの共同創業者アンドリュー・マビット(Andrew Mabbitt)氏は、ハッチンス氏について「私が知る最も賢くて才能ある人物」とTwitterに書いている。

「彼は好きなことでお金を稼ぐという、多くの人にとっての夢を実現している」

The Telegraphによると、ハッチンス氏は、GCHQ(イギリス政府通信本部)の国立情報セキュリティセンターと共同で新たなサイバー攻撃に備える準備に取り組んでいる。

[原文:The 22-year-old who saved the world from a malware virus has been named

(翻訳:Satoru Sasozaki)

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