Disney
ハッカーがディズニー映画を盗み出し、身代金を要求していると、エンターテイメント誌The Hollywood Reporterが報じた。ウォルト・ディズニー・カンパニーは現在まで、身代金の支払いに応じていないという。
今回の事件は、現在世界を騒がせているランサムウェアとは異なるケースで、ハッカーは盗み出した作品を楯に身代金を要求している。
ディズニーのCEOで、ボブ・アイガー(Bob Iger)氏が15日(現地時間)、傘下ABCのスタッフに、新作映画を人質にとったと主張するハッカーから、身代金を要求されていると説明した。しかしアイガー氏はこの時、具体的な作品名には言及しなかったとThe Hollywood Reporterは報じている。ハッカーたちは、ディズニーに巨額の身代金をビットコインで要求しているとみられ、もしこれが支払われなかった場合、複数回に分けて人質にとった作品をネット上で公開すると脅しているという。アイガー氏は、ディズニーが身代金を支払うことはないとし、この件でFBIの捜査に協力しているとも話した。
この報道に続いて、人質にとられた映画が『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの最新作であると、同日オンラインマガジンDeadlineが報じた。ディズニーはシリーズ最新作『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』の公開を今月26日に控えている(編集部注:日本での公開は7月1日)。ハッカー達が主張どおり、同作品を人質にとっているとすれば、今回の「海賊行為」は皮肉のつもりなのかも知れない。
今回の身代金要求を、口だけの脅しと切り捨てられない理由がある。4月にも、Netflixがハッキングによって人気ドラマの新シーズンを盗まれ、身代金を要求されている。Netflixは支払い要求に応じず、ドラマ『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』の新シーズン10話分がインターネット上にアップロードされる結果となった。
この時、thedarkoverlordと名乗るハッカーが「Netflixよ、こんな結末になって残念だ。君は我々の慎ましい要求より、もっと大きな額の金を失うことになるだろう」との声明を出していた。
(原文:Hackers are holding a Disney movie for ransom, according to CEO Bob Iger)
[翻訳:忍足亜輝]