CIAのVCファンド出身者を雇ったビリオネアが狙う投資ターゲット

ビリオネアのスティーブ・コーエン氏

ビリオネアのスティーブ・コーエン(Steve Cohen)氏

Point72

ビリオネアで、「ポイント72アセット・マネジメント」の創業者スティーブ・コーエン(Steve Cohen)氏は、ビッグデータや機械学習に注力したアーリーステージ企業に投資するため、カリフォルニア・パロアルトにオフィスを開設した。

オフィス開設のためにコーエン氏が採用したのは、CIAの資金運用に携わってきた2人 —— CIAがその資金の大半を拠出するベンチャーキャピタル「In-Q-Tel」に勤めていたダニエル・グワック(Daniel Gwak)氏とスリ・チャンドラセカ(Sri Chandrasekar)氏だ。

ポイント72のマシュー・グラネード(Matthew Granade)氏によると、この2人は5月1日から業務に就いている。

シリコンバレーの新オフィスはコーエン氏のベンチャーキャピタル(VC)「Point72 Ventures」の一部だが、法的には彼の110億ドル(約1兆2千億円)規模のファミリーオフィス(※)「Point72 Asset Management」とは切り離されている。コーエン氏は昨年、Point72 Venturesを立ち上げ、JPモルガン・チェース・ストラテジック・インベストメンツのピート・カセラ(Pete Casella)氏をその責任者として採用した。

グラネード氏は、最終的にパロアルトのオフィスが拡大し、従業員も増えることを期待していると述べた。

グワック氏

LinkedIn

さらに「機械学習とAIが、問題解決においてますます重要な役割を果たすようになっており、CIAのベンチャーキャピタルに勤めていたグワック氏とチャンドラセカ氏は、こうした企業の成立や成長、あるいは失敗について大きな知見を持っている」と付け加えた。

我々は2人にコメントを求めたが、まだ回答はない。

同社が公表している2人のプロフィール情報によると、In-Q-Telでグワック氏は企業分析とインフラ企業に注力し、チャンドラセカ氏はAI研究所を率いていた。

新しい職場では2人は、自然言語処理、自動運転、ニュース記事の自動生成に取り組む企業など、テック企業に注力する。

グラネード氏は投資金額は明らかにしなかったが、年に10~20社に投資する見通しだと述べた。

「スティーブ(コーエン)の投資判断は的確だ。我々は、判断をする際には極めて楽観的な視点でいられる」とグラネード氏。

In-Q-TelはTwitterなどのSNSの情報分析を手がける企業に特化していると、昨年アメリカのIT系メディア、The Interceptは報じた。また、ウォール・ストリート・ジャーナルによると、In-Q-Telの取締役の一部は同社の投資先である一部企業と繋がりがあるようだ。

チャンドラセカ氏

LinkedIn

2013年、アメリカ証券取引委員会(SEC)は、コーエン氏の以前の会社である160億ドル規模のSACキャピタルをインサイダー取引の罪で、外部からの資金を運用することを禁止した。

コーエン氏はその後、自身が保有する数十億ドルの資産を運用するために、ポイント72を設立。同氏が率いる企業による外部資金の運用は、来年可能になる。

source:Point72、LinkedIn

[原文:Billionaire Steve Cohen hired 2 investors from the CIA's secretive VC fund for a new Palo Alto office

(翻訳:梅本了平)

※編集部注:「ファミリーオフィス」とは、 大富裕家族が、その家族のためだけに雇う資産マネジャーや弁護士、税理士などで構成するチーム。資産運用から税金対策、必要な法律手続きの一切を行う。対象とする家族の最低資産額は200億円程度とされ、現在欧米やアジアの超富裕家族の「ファミリーオフィス」が管理する資産は1家族平均10億ドルともいわれる(WSJ)。

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