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人気レストラン「フーターズ」にライバルが現れた。
「ツインピークス(Twin Peaks)」は、着席形式のカジュアルレストラン業界で、今年、売上を伸ばしている数少ないチェーンだ。露出度の高い服を着た「ツインピークスガールズ」で有名な同チェーンは、急成長を遂げている。Nation's Restaurant Newsによると、売り上げは2013年から2015年にかけて63%上昇した。また、現在、80カ所にある店舗を拡大する計画で、同社は新しい有望市場として西海岸に目を向けている。
同社CEOジョー・フンメル(Joe Hummel)氏によると、同チェーンの成功は全てウェイトレスの成果だ。
「彼女たちがビジネスの最前線に立っていることは間違いない。彼女たちは我々のブランドのDNAの一部であり、他にはない強みを与えてくれている」と、同氏はNation’s Restaurant Newsに語った。
フンメル氏は何をすべきか理解していた。フーターズに8年間勤め、2003年から同社の運営および購買の副責任者となった。
2011年、同氏とフーターズの元役員がツインピークスの加盟店になる契約をした。フーターズはフンメル氏と彼の会社La Cimaが営業ノウハウを流用したと訴えた(訴訟は2012年に和解している)。
2005年、テキサス州ルイスヴィルで設立されたツインピークスは、フーターズのスポーツバー風の雰囲気とは少し違う、「スポーツ・ロッジ(山小屋)」と自称している。
メニューは、ハンバーガーやチキンウィング、「ママのポットロースト」など、アメリカでおなじみの料理を提供。同社はノッティ・ブルネット(Knotty Brunette)、ゴールド・ディガー(Gold Digger)、ダーティ・ブロンド(Dirty Blonde)と名付けた独自のクラフトビールを醸造している。
社名に、2つの意味が込められていることは明らかだが、暖炉やクラフトビールや、チェックのシャツを着て、ブーツを履いたウェイトレスなど、山小屋(ロッジ)のイメージにも合っている。
同社は、フーターズのユニフォーム以上に、どんなユニフォームが好まれるかを理解している。
「フーターズはもの足りなかった」と創業者で、当時のCEOランディ・デウィット(Randy DeWitt)氏は2014年、ブルームバーグに語っている。
ウェイトレスは、小さなチェックシャツを着て、ショートパンツを履いている。バレンタインデーやセントパトリックデーなどの特別な日には、下着姿でメニューを提供することもある。
Wings from Hoots, Hooters' fast-casual concept.
Hoots
一方、フーターズは近年、イメージを転換している。ツインピークスが成長したことで、アメリカ国内のフーターズの店舗数は2012年から2016年にかけて7%以上減少し、売上げは停滞しているというレポートもある。対応策としてフーターズはケータリングに力を入れ、ファストフードに適した場所で店舗を展開している。そこには、きちんとしたユニフォームを着たウエイトレスとウエイターがいる。
ツインピークスやフーターズのような形態の店も、カジュアルレストランの利用客減少という課題に直面している。
しかし、フンメル氏はツインピークスは競争の影響を受けないと確信しているようだ。
「カジュアルレストランの競争は激しい。食べ物や飲み物を提供するところはすべて、競争相手になる。食事をする時は、ツインピークスのことを思い出して欲しい」
[原文:This racy 'breastaurant' chain is becoming a major threat to Hooters]
(翻訳:梅本了平)