ニューヨークの夕日の奇跡、夏に2度だけ起きる”マンハッタンヘンジ”

毎年夏の時期に、2度だけ起きるニューヨークの奇跡。太陽と、地球と、人間の営みから生まれたモニュメントの群れが、「マンハッタンヘンジ(Manhattanhenge)」と呼ばれる光のスペクタクルを作り出す。太陽が、碁盤の目状に伸びるニューヨークの街路に沿って落ちていくのだ。

2016年7月11日に撮影された「マンハッタンヘンジ」

2016年7月11日に撮影された「マンハッタンヘンジ」

Drew Angerer/Getty Images

この名は「マンハッタン(Manhattan)」と「ストーンヘンジ(Stonehenge)」から合成された。英国南部にある古代遺跡ストーンヘンジが、先史時代の人々によって、太陽の動きにぴったりと合うように建造されたと考えられていることにちなんでいる。

ただしストーンヘンジとは異なり、マンハッタンヘンジは、都市計画から生まれた偶然の美だ。

2009年に初めて見たとき、私は息をのんだ。写真撮影でいわれる「マジック・アワー」のようだが、もっと素晴らしかった。寄せる人波、交差する車と街の明かり、ドラマティックな背景を成す高層ビル群。その鏡のようなガラス窓から、色鮮やかな日没の光が反射されて、あちこちの車道や歩道に散乱していた。

完璧なタイミングで完璧なポジションにいたら、何キロも伸びる摩天楼の回廊のあいだに、オレンジ色に燃えあがる火の玉が浮かんでいる光景を見ることができる。

2017年、マンハッタンヘンジ現象を味わうためのタイミングとポジション

2010年のマンハッタンヘンジ

マンハッタンヘンジ、2010年

Dave Mosher

マンハッタンヘンジは夏至の前後に2日ずつ起きる。つまり夏至の前に2日、後に2日だ

夏至の前後でいずれも、1日は太陽が地平線に半分沈みかけた状態で見られる。もう1日は、完全な姿の太陽を見ることができる。

夏至の前のチャンスは5月に訪れる。

  • 5月29日月曜日 午後8時13分(東部夏時間)――太陽が半分沈みかけた状態
  • 5月30日火曜日 午後8時12分(東部夏時間)――太陽全体

夏至の後のチャンスは7月に訪れる。

  • 7月12日水曜日 午後8時20分(東部夏時間)――太陽全体
  • 7月13日木曜日、午後8時21分(東部夏時間)――太陽が半分沈みかけた状態

これらのうちいずれかのタイミングでニューヨークにいて、空が曇っていなければ、他に増してお勧めしたいストリートがいくつかある。

お勧めの通りは14番街、23番街、42番街、57番街。これらの通りは比較的広く、人の足並みにも合わせやすい。ただし34番街と42番街には注意。こちらはしばしばとても混雑しており、エンパイヤステートビルやクライスラービルから景色を眺めようとする人々でごった返す。

もしもこれらのストリートでベストな鑑賞ポイントを探し出す時間があるなら、高い場所からさらに遠く東の方向をみて最高の景観を堪能してほしい。高い場所からでなければ、遠くにある丘や他の建物によって視界が遮られるかもしれない。

マンハッタンヘンジを背景にセルフィーを撮影する人々

Rafi Letzter/Tech Insider

ウエストサイドに行くとドラマティックな眺めは見込めないかもしれないが、急に思い立って行く場合にはそれはいい考えだろう。障害物のない視界を得られる可能性がより高いからだ。

マンハッタンヘンジ現象の日時予想を毎年公表しているアメリカ自然史博物館(American Museum of Natural History)は、当日は日没30分前に鑑賞ポイントに到着することを勧めている。だが、この偶然から生まれた天文イベントは、Instagram、Facebookなどの写真共有プラットフォームの盛り上がりにより、年を追うごとに人気を増しているようだ。だから45分前到着なら、失敗はないだろう。

難しい? 心配はいらない。いくつか理由がある。

まず、これらの日程でしかビルのあいだの日没を見ることができないわけではない。デザイナーのアンドリュー・ヒル(Andrew Hill)氏は、インタラクティブなマップ「NYCHenge」を作成した。このマップで、タイミングよく日没が見えるすべての日付と時刻を確認することができる。

ヒル氏のマップからもわかるように、この偶然の「ヘンジ」現象を見ることができる場所はニューヨーク市だけではない。実際、碁盤の目状に構成されている街ならほとんどどこでも見ることができる。(「ボストンヘンジ」はご存知だろうか?)

いつどこから見るにしても、夕陽に美しく彩られた通りに心を奪われるあまり、道に迷ったり、車やバスにはねられないように気をつけてほしい。

この記事を執筆するにあたってメーガン・バートル(Maghan Bartels)記者からの協力を得ました。

利害関係に関するおことわり:この記事の執筆者デーヴ・モーシャー(Dave Mosher)は、アメリカ自然史博物館の広報担当職員と婚姻関係にあります。

[原文:A strange and beautiful 'Manhattanhenge' sunset is about to happen in New York City

(翻訳:Eiko Ofuji Mizuta)

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