Androidの最新ベータ「Android O」がダウンロード可能に

google i/o 2017の写真

Justin Sullivan/Getty Images

Androidファンに朗報だ。例年どおりGoogle I/Oにあわせて、Andoird OSの新バージョン「Android O」(アンドロイド オー)を試せるようになった。新バージョンには、素晴らしい新機能がいくつか追加されている。

グーグルは、現地時間17日午前(日本時間18日未明)から始まった毎年恒例の開発者会議「Google I/O 2017」の冒頭で、「Android O」のパブリックベータ版がダウンロード可能になったと発表した。

ステージ上でグーグルの登壇者たちは、Android Oの新機能の詳細にあまり深く踏み込まなかった。今回の発表に先立って、今年3月のAndroid Oの開発者プレビューをリリースした際に、グーグルはその一部機能を明らかにしていた。

  • ピクチャーインピクチャーモード:YouTubeの動画や他のアプリを小さなウィンドウで最前面にフロート表示できるため、何か別のことをしている間にもそのウィンドウを見ることが可能。この機能を有効にするには、対応しているアプリ内でホームボタンをタップする。
  • 通知ドット:アプリに新着通知が入ると、アプリアイコン上に小さなドットが表示される。通知エリアを下にスワイプして個別のアラートを表示する代わりに、通知ドットが表示されているアプリアイコンをタッチアンドホールドすることで、通知の内容を確認できる。
  • オートフィル(自動入力)機能:より多くのアプリに対応。これにより、よく使う情報をいつも手動入力しなくてもよい。グーグルが挙げた例では、Twitterのログイン情報を保存しておくと、ちょうどGoogle Chromeのように、アプリから即座に自動入力できる。
  • よりスマートになったテキスト選択機能:氏名、電話番号、アドレスその他の重要情報をダブルタップするだけで一度に選択できる。選択したテキストによっては、さらに次の操作を実行できる。例えば電話番号を連絡先に登録したり、Googleマップで位置を確認するなど。

Android Oのテキスト選択中画面

Android O の自動選択機能がよりスマートになったことがわかる一例。テキスト選択中の画面に、Googleマップへのショートカットが表示されている

BUSINESS INSIDER

  • Google Play プロテクト:グーグルによると、アプリの脆弱性を自動的にチェックして、すべて安全かどうかを知らせてくれるセキュリティ機能。
  • 見やすくなった設定画面:似たようなオプションがグループ化された。例えば、WiFi、ホットスポット、モバイルデータ通信の設定は「ネットワークとインターネット」タブの中にまとめられている。
  • よりきめ細やかになった通知コントロール:後でもう一度通知を表示させる「スヌーズ」機能など。
  • 以前から約束されていた機能改善:バッテリー寿命、Bluetooth、パフォーマンス全般。グーグルによると、Android Oは、メモリ使用量を節約してバッテリー寿命を長持ちさせるために、アプリのバックグラウンド動作(位置情報の取得など)をより厳しくコントロールする。起動時間も短縮されたという。
  • Project Treble」:これにより、サムスンやLGなどのデバイスメーカーが、Androidの独自アップデート版をリリースする前に、Qualcommなどの半導体メーカーによる動作検証報告を待つ必要がなくなるという。よく知られているように、グーグルは、前掲のデバイスメーカー製スマートフォンを新バージョンのAndroidにアップデートさせようとして苦闘を重ねてきた。9カ月前(2016年8月下旬)に公開されたAndroid 7.0 Nougatを使用しているのは、Androidデバイスのうちわずか7%。これは大きな問題だが、このプロジェクトのおかげで実際どれほどの時間が節約されることになるのかということについては、時間が教えてくれるだろう。

他にもたくさんあるが、要点としては、派手な新機能を提供することよりもむしろ、不満点を解消してパフォーマンスを微調整することに重点を置いたアップデートだといえる。

なお、Android Oベータ版にサインアップすることができるのは、グーグルの一部デバイスに限られる。グーグルの「Pixel」「Pixel XL」「Nexus 5X」「Nexus 6P」のみインストール可能だ。

どんなソフトウェアであれベータ版をインストールする前には、不具合が生じる可能性もあるということに注意しておきたい。Android Oベータ版にはそれなりのバグがありそうだ。またインストール前にデータのバックアップをとっておくべきだ。さもなければ、Androidの前バージョンに戻そうとしたときに、データが失われてしまう恐れがある。

ここまでさまざまな機能を紹介してきたが、Android O にはわかっていないことがひとつある。正式名称だ(Androidは毎年、ベータ版の時はアルファベット1文字。正式版では、その1文字を頭文字にし たお菓子の名前がつく)。米BUSINESS INSIDERの予想は、「Android Oreo」。


[原文:Google's next version of Android is now available in beta form — here's what it can do

(翻訳:原口 昇平)


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