「限りなく真実に近い」ニュースサイトを立ち上げたレッドブルCEOの華麗なる半生

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Dietrich Mateschitz, cofounder of Red Bull.

Vladimir Rys/Getty Images

総資産160億ドル(約1兆8000億円)超と言われるレッドブルの創業者で現在もCEOを務めるディートリヒ・マテシッツ(Dietrich Mateschitz)氏は、オーストリアで最も裕福な人物の1人だ。

マテシッツ氏とその共同創業者であるタイ人実業家のチャリアオ・ユーウィッタヤー (Chaleo Yoovidhya)氏は、1987年にレッドブルを発売、エナジードリンク市場を創出した。

F1のレーシングチームを買収したり、オーストリア人のスカイダイバー、フェリックス・バウムガルトナー( Felix Baumgartner )氏とパートナー契約をし、2012年にスカイダイビングの最高高度記録となる12万フィート(3万6000メートル)上空からのジャンプを行うなど、ユニークな方法でブランドのプロモーションを展開してきた。Forbesによると、2016年のレッドブル販売本数は60億を超えた。

メディアには滅多に登場しない72歳のマテシッツ氏だが、先月、オーストリアの地元紙Kleine Zeitungのインタビューに応じ、アメリカのトランプ大統領についてコメントするとともに、難民がオーストリアに流入していることについてオーストリア政府を批判した。トランプ大統領に関しては、「彼は描かれているほど愚かな人間ではない」と擁護する姿勢も見せた。

マテシッツ氏はまた「Nä her an die Wahrheit(限りなく真実に近い)」というドイツ語のニュースサイトの設立を発表した。ドイツ紙Handelsblattは、マテシッツ氏のニュースサイトをアメリカのオンラインニュースサイト「ブライトバート・ニュース・ネットワーク」と比較する記事を掲載した。

マテシッツ氏がいかにしてレッドブルを国際的なブランドに育て上げたのか、以下で紹介する。

マテシッツ氏はウィーンの商業大学でマーケティングを専攻。10年在籍し、28歳で卒業した。卒業後、彼はBlendax社に国際マーケティングディレクターとして勤務し、化粧品やその他の日用品のプロモーションに携わった。

ウィーンの街並み

ウィーンの街並み

Alexander Koerner/Getty Images

ソース:Forbes

ForbesによるとBlendaxの仕事でタイに出張した際、マテシッツ氏はシロップのような栄養ドリンクを口にした。それは彼の時差ぼけに効いたという。

レッドブルを飲む女性

Kristian Dowling/Getty Images

ソース:Forbes

マテシッツ氏はその栄養ドリンクの製造会社を経営していたタイ人チャリアオ・ユーウィッタヤー氏に会い、同製品をヨーロッパで販売するべきだと説得。マテシッツ氏は会社を辞め、2人はそれぞれ50万ドルずつ出資し、ベンチャー企業を立ち上げた。

チャリアオ・ユーウィッタヤー 氏

Tim Whitby/Getty Images



彼らはそれぞれ会社の49%ずつを所有(残りの2%はユーウィッタヤー氏の息子が所有)。マテシッツ氏が経営権を握ることで合意した。1987年にレッドブルがオーストリアで売り出された。ユーウィッタヤー氏は2012年に89歳で世を去った。

レッドブル

Ben A. Pruchnie/GettyImages

ソース:NPR

マテシッツ氏はハンガリー、イギリス、ドイツ、そして1997年にはアメリカへとレッドブルの販路を広げていった。彼は斬新なマーケッティング戦略を取り入れた。

マテシッツ氏

Mark Thompson/Getty Images


レッドブルが開くイベント「フラッグタグデー」は、自作の飛行機を持ち寄り競い合う。

レッドブルのイベント

2003年のフラッグタグデーの参加者たち

Marco Di Lauro/Getty Images


エクストリームスポーツ界で地位を確立したレッドブルは、ブランド名を冠したF1レースのチームを2004年に取得した。

F1レースのチーム

Dan Istitene/Getty Images

ソース:BBC Sport

レッドブルはまたニューヨーク・レッドブルズを含む4つのサッカーチームを所有している。

レッドブルのサッカーチーム

Elsa/Getty Images

ソース:Bloomberg

ザルツブルクのすぐそばにマテシッツ氏はHangar-7という飛行場を所有している。そこには3つのレストランもある。

飛行場

飛行機に乗り込む前に雑談するレッド・ブルレーシングチームのメンバー

Dan Istitene/Getty Images

ソース:Bloomberg

マテシッツ氏はフィジーのラウカラ島に高級リゾートも所有している。25の宿泊用ヴィラにはそれぞれプライベートプールが設置されている。食べ物、飲み物、各種アクティビティーを全て含んだ宿泊料金は1泊1万ドル近い。

リゾート地

Laucala Island/Facebook

ソース:Conde Nast Traveler

1998年にレッドブルは今日まで続いているレッドブル・ミュージック・アカデミーを始めた。ここではさまざまななジャンルのミュージシャンがワークショップや講演、ライブパフォーマンスを行う。

音楽イベント

Tabatha Fireman/Stringer Getty Images

ソース:Time Out New York

2007年にレッドブルは子会社として Media Houseを立ち上げ、アートとスポーツにフォーカスした雑誌「Red Bulletin」を創刊した。

ダンスをする人

Ethan Miller/Getty Images


Horizont Onlineによると、マテシッツ氏が立ち上げる新メディア「Näher an die Wahrheit」のチームにはレッドブルの役員2人と、デジタルメディア「Vice」の成長に貢献したオーストリア人のジャーナリストMichael Fleischhacker氏とJudith Denkmayr氏もいる。

マテシッツ氏

Charles Coates/Getty Images

ソース: Horizont Online

マテシッツ氏の新メディアは彼の非営利団体Quo Vadis Veritasが支援する。同氏がこれまでも公共の場で政治的な発言をしていることから、その政治観が反映された内容になるとの声も挙がっているが、レッドブルのMediaHouseはBusiness Insiderに対し、その見方を否定した。

マテシッツ氏

Mark Thompson/Getty Images

コメントはこう続く。

「非営利団体Quo Vadis Veritasは独立した調査報道のプラットフォームとして設立された。プラットフォームと従業員はより質の高いジャーナリズムを実現するための調査を行う。しかし、2017年の4月に立ち上がったばかりということもあり、組織構成、取り扱うトピックの範囲、デザインやプラットフォームの機能などはまだ確定していない」

[原文:Meet Red Bull's billionaire CEO, who's launching a news site that's being compared to Breitbart

(翻訳:まいるす・ゑびす)

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