アメリカで野心的な事業の拡大を進めるみずほファイナンシャルグループが、デリバティブ・トレーディング部門にキーパーソンを迎え入れた。
ウォール街にあるニューヨーク証券取引所
Drew Angerer/Getty Images
起用したのは、マッシモ・タッサン=ソレト(Massimo Tassan-Solet)氏で、ゴールドマン・サックスやドイツ銀行の幹部を務めた経歴を持つ。タッサン=ソレト氏は今後、みずほ(米国)の債券部門を率いるトーマス・ハートネット(Thomas Hartnett)氏のもとで、デリバティブ部門をけん引する。
タッサン=ソレト氏は、ドイツ銀行時代(トーマス氏も当時、ドイツ銀行に勤めていた)、米ドル金利オプション取引の責任者だった。直近ではヘッジファンドに勤めていた。
「我々はクライアント企業に対するサービスを強化する投資を行っていく。タッサン=ソレト氏のこれまでの事業開発、リスクマネジメント、トレーディングテクノロジーにおける経験は、我々の大きな力となる」とハートネット氏は述べた。
みずほはアメリカにおいて債券部門の野心的な拡大を狙う。米国みずほ証券(Mizuho Securities USA)CEO、ジェリー・リッツィエーリ(Jerry Rizzieri)氏は昨年、世界で最も大きな収益が見込める市場で事業を拡大していくとBusiness Insiderに語った。
「我々の取り組みはまだ途中段階だ。これからさらに取扱商品の幅を広げてく。一方、競合他社の多くは、すでにかなりの期間にわたって取り組んでおり、はるかに大きな事業基盤を有している。結果として、失うものも多いだろう。我々は状況が異なる」
みずほがタッサン=ソレト氏を起用したことは注目に値する。みずほはこれまで、デリバティブ事業の強化に取り組んできた。特に、金利デリバティブ、為替デリバティブ、さらに法人向けデリバティブソリューションでの成功を目指している。
「我々はこれまでの実績に縛られることがない。競合他社よりも柔軟に取り組むことができる」とハートネット氏は昨年、Business Insiderに語った。
[原文:A new player in Wall Street trading has made a key hire]
(翻訳:原口 昇平)