あ、暑い……! 夏がもうすぐそこで足踏みしているようなそんな季節。今年は「クラフトビール」に挑戦しよう。日本でもこだわりの味や雰囲気が楽しめる専門店が増えてきている。
クラフトビールとは、小規模なブルワリーで醸造されたビールのこと。ブランドごとのさまざまなフレーバーや香り、おしゃれなラベルのデザインが特徴だ。
その中でも、この夏絶対行くべきクラフトビールバーを、都内を練り歩いて集めた。
20代前半の3年半、オランダ/ドイツ/ベルギーでビールを浴びるように飲んで過ごした、クラフトビール・フリークのBI記者が突撃取材!
Y.Y.G. Brewery & Beer Kitchen(ワイワイジーブルワリー・アンド・ビアキッチン)
- 東京都渋谷区代々木2-18-3 オーチュー第一ビル
- http://www.yygbrewery.com/
まずは代々木駅へ。ごちゃごちゃとしたファストフード街をてくてくと歩いていくと見えてくるのが、代々木のブルワリーバー「Y.Y.G. Brewery & Beer Kitchen」だ。
こぢんまりした雰囲気の店内にある、まるでR2D2のような圧倒的存在感のビールタンク!この店のオリジナルビールはすべてこのブルワリーでつくられている。
「下北サワーエール」「新宿ペールエール」…。近辺の駅にちなんだユニークな名前のビール。
いまの一番のおすすめは「笹塚山椒ホワイトエール(800円/360ml)」。さわやかな飲み口にほのかに香るオレンジピールの甘み、そして最後にのどに来るピリッとした山椒の辛み。
7階に併設されたビアキッチンでは、ブルワリーでつくられたビールとともに美味しい食事を楽しむことができる。
新宿の夜景のあとでバーに立ち寄り、できたてのビールを一杯……という使い方もできそうだ。
SPRING VALLEY BREWERY(スプリングバレーブルワリー)
- 東京都渋谷区代官山町13−1 ログロード代官山内
- https://www.springvalleybrewery.jp/
お次は代官山へ。「クラフトビール界の進撃の巨人」ことキリンが提供する、「SPRING VALLEY BREWERY」だ。
扉を開ければそこはビールのラボラトリー(実験室)。ひたすらおいしいビールを求める人がたどり着くビールの楽園だ。
ビールに八朔やふきのとう、しそなどの自然素材を漬け込んだ「インフューズド・ビール」と呼ばれる一風変わったビールも飲める。時期によってメニューは変わるので、いつでも新しいビールに出会えるはず。
ビールへの徹底的なこだわりは料理にも表れ、ビールにどう合うのか?という視点で選ばれている。すべての料理は6種類の定番ビール、コアシリーズのいずれかと「ペアリング」できるようになっている。
一番人気はなんといっても、6種のコアシリーズを一度に飲めてしまう「BEER FLIGHT(ビアフライト)(1300円)」。
すっきりしたのどごしのあとに香り立つホップの豊潤さが印象的な「496」、ほろ苦いチョコレートのようなコクと甘みを併せ持つ「AFTERDARK(アフターダーク)」、ラズベリー果汁のフルーティーな甘ずっぱさがたまらない「JAZZBERRY(ジャズベリー)」などなど。これを頼めば「クラフトビールとは何か」がわかる、そんなセットだ。
T.Y.HARBOR
- 東京都品川区東品川2-1-3
- https://www.tysons.jp/tyharbor
東京湾ウォーターフロントの一角、天王洲アイルの高架下を抜け、ビル群を通りすぎた先に立ち現れるのが「T.Y.HARBOR」だ。
中に入ると吹き抜けの広々とした店内。もちろん河に面したテラス席もある。
ビールは併設するブルワリーで毎日作られている。ラインナップは、レギュラービール5種と季節限定ビール1種の計6種。
一番の定番はペールエール(920円/420ml)。エール特有のほんのりとした甘みに、柑橘系のフルーティな香りがたまらない。
心地よい風が吹き抜けるテラスで、冷えたペールエールと相性抜群のニューヨーク・チキン・ウィングをいただくのが、今年の夏の鉄板になりそうだ。
また、近頃系列店として注目を集めているのが、「走るクラフトビアバー」こと移動型トラック、「EL CAMION(エル・カミオン)」だ。T.Y.HARBOR BREWERYで作られたこだわりのビールのほか、ピリッと辛いププサなど、ビールが進むカジュアルラテンフードが楽しめる。出現情報はSNSで告知されているので、こまめにチェックして見つけてみよう!
提供: 株式会社タイソンズアンドカンパニー
SWANLAKE Pub Edo CAFE DE TETE(スワンレイクパブエドカフェドテテ)
- 東京都渋谷区大山町46-9 ヴィラタナカ1F
- https://www.swanlake.co.jp/
小田急線代々木上原駅から徒歩3分。散歩の途中でふらりと立ち寄りたいのが、「SWANLAKE Pub Edo CAFE DE TETE」だ。
一見するとクラフトビールバーとは思えないようなカフェ風の雰囲気。訪問した日にはランチやコーヒーを楽しむ人の姿も。
新潟の名水で作られたビールが直送されており、中にはこしひかりでつくられたものも。
一番人気のビールは「ゴールデンエール(800円/300ml)」。ひんやりと冷やされたグラスに注がれた黄金のビールを口に含めば、すっと溶けるやさしい甘さが残る。
「クラフトビールバーと知らずに入ってきた人にも」やさしい店とだけあってフードメニューも充実。
ビールはいつでも楽しめるレギュラービール6種類、季節限定スペシャル、そして売り切れ次第終了のハイアルコール・ビールの三種構成だ。
Mile Post Cafe (マイルポストカフェ)
- 東京都中央区新川1-20-6 2階
東京湾をのぞむ永代橋から徒歩2分。抜群のリヴァービューなら迷わずここだ。
細い路地に隠れた階段を上っていくと、そこは秘密基地の小屋のような雰囲気。広い窓からは隅田川に映る日差しがいっぱいに入ってくる。
10のタップ配分を支えるポリシーは、「人が知らない、ちょっと変わり種のビール」。全国各地の珍しいビールをバランスよくそろえている。
いまの時期は樽の移り変わりが激しいため、おすすめの一点は「来たとき出会えたもの」!Mサイズ(700円/275ml)、Lサイズ(900円/450ml)、飲み比べ3種(1000円、土日限定)と飲み方にもバラエティがあるので、いろいろと試してみよう。
なんと5月中はIPAファン参加必須、「西海岸IPA」に焦点を当てたフェアが開催されている!
涼やかな隅田川をのぞむテラスでカリフォルニアビールを飲めば、夏の暑さもしばらく忘れられそうだ。
Brasserie Beer Blvd. (ブラッセリービアブルヴァード)
- 東京都港区新橋5-10-8 カルチャーセンタービル2F
- http://www.beerboulevard.com
JR新橋駅近辺の中でも静かなエリアに位置するのが「Brasserie Beer Blvd.」だ。
オーナーがバーテンダー出身、店長がワインソムリエ出身、ビール担当がブルワリー出身と「ONE PIECE」のように多彩なバックグラウンドを持ったスタッフたちが集結。その多様性に負けない、多様な店づくりを心がけているという。
こだわりのバーカウンターは、フレンチ出身のシェフがつくる牛ホホ肉の赤ワイン煮込みをいただくにも充分の広さ。
常設のビール、12タップのうち約半分はカリフォルニア・サンディエゴからの直輸入ビール。西海岸のトロピカルな雰囲気たっぷりのフルーティなビールが月替わりで楽しめる。
今の一番のおすすめは、白ワイン用ぶどう種「甲州」の果汁が入ったピルスナー「Drive on with Koshu(1000円/330ml)」。大好評につき樽は売り切れ、いまはボトルのみの扱いだが、5月末にも味のアップデートがあるそうだ。さわやかな飲み口にほのかに香るぶどうのアロマが夏にぴったりの一品。
バーカウンターやスタンドで一人でも、テーブル席で2人でも、半個室でグループでも。あらゆる用途に完璧に応えてくれる、クラフトビール好きの救世主と言える店だ。
クラフトマン
- 東京都品川区西五反田2-18-3 グレイス五反田1階
- https://craftsman-craftbeerbistro.jp/
31種類という圧巻のタップ数を抱える五反田「クラフトマン」。しかも常設タップはなく、つねに「いま、一番いいものだけ」を扱う攻めのセレクトぶり。
店のコンセプトは「クラフト麦酒と和ビストロ」。店で仕込んでいるシャルキュトリー(豚の加工料理)をはじめ、ビールに合った和風味のビストロめしの数々。半熟卵を崩しながら食べるホワイトアスパラのグリル串は絶品だ。
店一番のおすすめは「クラフトビール飲み比べセット(1000円)」。
その日の気分に合ったものを選べるチャート表をチェックすれば、どれが重め・しっかり系かすっきり・さわやか系かがすぐにわかる。
「おいしいビールを飲みながら、おいしい料理を食べて楽しみたい」そんなシンプルな欲求にすとんと応えてくれる、親しみやすい一店だ。
写真:今村拓馬(Y.Y.G. Brewery & Beer Kitchen、SPRING VALLEY BREWERY)、西山里緒(T.Y.HARBOR、SWANLAKE Pub Edo CAFE DE TETE、Mile Post Cafe、Brasserie Beer Blvd. 、クラフトマン)