家具メーカー出身、フォード新CEOが背負う「100年企業の変革」

フォードのジム・ハケット新CEO

フォードのジム・ハケット新CEO

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フォードは5月22日月曜日、マーク・フィールズ(Mark Fields)最高経営責任者(CEO)の退任と、後任にフォード幹部で自動運転車事業に取り組むフォード・スマート・モビリティ(Ford Smart Mobility)会長のジム・ハケット(James Hackett)氏を充てる人事を発表した。同氏はオフィス家具メーカーのスチールケース(Steelcase)元CEOでもある。

2014年にフィールズ氏がCEOに就任して以降、フォードは2015年に最高益、2016年にもそれに近い利益を上げながら、株価は30%以上落ち込んでいる。

フォード在籍歴28年のフィールズ氏はCEO就任後、フォードを自動車メーカーとモビリティーサービス(交通)事業者の二つの顔でアピールしようとした。これはフィールズ氏の信念だったとも言える。

だが、ハケット新CEOと創業家出身のビル・フォード(Bill Ford Jr)会長はこの路線を変更するつもりだ。

フォード会長はBusiness Insiderとのインタビューで「ジム(ハケット新CEO)と私は事業全体で変革と刷新が必要だと強く感じている」と述べ、ロボティクスや人工知能(AI)といった新規のテクノロジーがフォードの中核を変化させるだろうと語った。

フォード会長は「中核事業」や「新興事業」といった区分けでフォードを語る時代は終わったと強調、「かつて経験したことのない時代に突入し、そこにはいっそう多くの機会があると同時に地雷もある。わが社は変革のリーダーになる必要がある」と述べている。

ゴールはいたって明快に見える。創業以来100年以上の歴史を持つ自動車メーカーは依然、世界で数百万台という売り上げを誇りながらも近い将来、単なる自動車メーカーではなくなるだろう。フォード=自動車メーカーという時代は終わったのだ。

フォード前CEOマーク・フィールズ氏

フォード前CEOマーク・フィールズ氏

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それは容易な挑戦ではない。だが、ハケット氏はスチールケースCEO時代、同社を単なるオフィス家具メーカーからオフィス環境を変える企業に脱皮させるなど、その手腕には定評がある。ハケット氏は非常に抽象的なアイデアに現実的な形を与え、ビジネスの文脈で実現する方法を見出せる人物だ。

「ジム(ハケット氏)は他に類をみない統合力と統率力を持っている」とフォード会長は評価する。

ハケット新CEOは、テスラやグーグル、アップルといった企業の後追いをする必要はなく、むしろ「ディスラプター(創造的破壊者)」と呼ばれるスタートアップ企業と真正面から競い、勝つことができると述べている。しかし明確なロードマップをすぐに示すつもりはないようだ。

ハケット氏はこう述べている。「見ているだけではうまくいかない。正しい道を選ぶかどうかだ。わが社のビジネスの真のチャンスは未来にある。我々は競争に食い込むつもりだ」

[原文:Ford is no longer just a car company

(翻訳:Tomoko A.)

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