Volvo
90年におよぶ歴史の中で、ボルボは丈夫で安全、実用的な車を提供してきた。その特徴的な北欧デザインは、多くの愛好者を生み出してきた。今、同社は「高級車ブランド」の世界に挑もうとしている。
高級SUV「XC90」の大成功に続き、ボルボは次世代のフラッグシップカーとなる高級セダン「S90」を2016年に発表。S90は、S80の後継車だ。S80は良い車だったが、10年近くマイナーチェンジを続けて販売されていた。モデル末期に近づき、古さは否めなかった。また保守的なデザインだったS80は、同社が期待したほどの大きなセールスにはつながらなかった。
S90が市場で確固とした地位を築いた今、同社のフラッグシップモデルである4ドアセダンの歴史を振り返ろう。ボルボは、いつも華美にならず、人々がボルボに求める上質な体験を提供してきた。
ボルボの自動車業界への進出は1920年代半ばに始まった。高級路線は1933年のPV654が始まり。豪華な内装、対のスペアタイヤとバックライトを装備。3.67リッター6気筒エンジンで、最大出力は80〜84馬力。
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1935年、流線型のPV36「カリオカ」を発表。エアロダイナミクスを応用した車体に、先進的な独立懸架式フロントサスペンションを装備。6人乗りも特徴。
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カリオカは501台製造された。PV654と同じ3.6リッター6気筒エンジンを搭載。最高速度は時速75マイル(約121キロ)に達したとされる。
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第2次世界大戦後、1946年にP60を発表。デザインは、戦後のアメリカの流行からは遅れていたが、同車は人気を博した。
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PV60は顧客に、丈夫さと、乗り心地のよさを提供した。皆がボルボに望むものだ。
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事実、PV60はとても丈夫だったので、500台が配送バンや軽トラックとして使われた。
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PV60は1950年に生産を終えた。1968年、164が登場するまで高級セダンはラインナップから途絶えた。
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164は、PV60以降、初となる6気筒エンジンを搭載。3.0リッター直列6気筒、175馬力を誇った。
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最も特徴的な仕様は、レザーのインテリアが選べたこと。
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1974年、164に代わって264が登場。プジョー、ルノーと共同開発したPRV V6エンジンを搭載。
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264GLEは、より実用的な240がベース。豪華な内装と、2.7リッターV6エンジンが特徴だ。
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茶色のベロア生地! まさに70年代、カッコいい!
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264TEと呼ばれたリムジンもあった。
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264TEは3列シート。
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1982年、760GLEが登場。
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箱型の角ばったデザインは、80年代のボルボの代名詞となった。
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ワゴンは、箱型デザインの傑作。
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760の内装を見てほしい! 曲線がない!
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ワゴン「760エステート」は、郊外に住むアメリカ人の間で大人気に。
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そして、安全性の象徴となった。全然、平気!
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1990年、960が登場。
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960は新型の3.0リッター直列6気筒エンジンを搭載。960は高級車を求める顧客向けで、よりスポーティーな850は流行に敏感な、若い層の人気を集めた。
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960ワゴンは、箱型のファミリーカーとしてボルボの人気を支えた。
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1998年、960はS90に名称を変更。「S90」の名称は、今も使われている。
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1999年のフォードによる買収後、ボルボは古くなった960/S90をリプレイスするため第1世代のS80を発表。2006年まで、ボルボのラインナップの頂点に位置していた。
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第2世代のS80。
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第2世代のS80は、次世代を担うボルボのフラッグシップセダンだった。
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2017年、S90が登場するまでは。S90は新世代のボルボだ!
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[原文:The story of Volvo's incredible transformation into a true luxury brand]
(翻訳:本田直子)