Matt Weinberger/Business Insider
マイクソフトからアップルへのノートPC分野での圧力は強まるばかりだ。
米マイクロソフトは、5月23日(現地時間)、Surface Pro 4を刷新した新型「Surface Pro」を公開。価格は799ドル(約8万9000円〜)で、すでにアメリカではプレオーダーが開始されている。同社は3週間前にも文教市場向けのノートPC「Surface Laptop」を発表したばかりだ。
この新型ノートPCは、デザインはPro4とキープコンセプトとしながら、性能を2017年仕様にアップデートしたもの。ただし、拡張性を気にする人に朗報をお伝えしておくと、Surface ProにはフルサイズのUSB3.0ポートも、従来どおりのミニDisplayPortも健在だ(モバイルデバイスのUSB Type-Cは好きではあるけれど、個人的には母艦であるノートPCはやっぱりまだフルサイズのUSBの方が何かと安心だ。正直なところ)。
今回より、製品名の末尾からナンバリングが消えた。これについては、米マイクロソフトのWindows&デバイス担当副社長のユサフ・メーディ氏が米Business Insiderに対して「(Pro 5という名前で)ナンバリングしてリリースすることはできました。(しかし)『Surface Pro』という名前は既に十分に知られてますから、新しい製品が古い製品より優れていることを示す番号付けはもう必要ないと感じたのです」と説明している。
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Surface Proのキックスタンドは15度まで倒れる。
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非常に興味深いのは、今回からマイクロソフトの英語版キャッチコピーから「タブレット」の言葉が跡形もなく消滅していることだ。新しいコピーは、"the most versatile laptop in the world"(世界でもっとも万能なラップトップ)だ。
確かに、タブレットという存在はもはや市場から消えつつある形態だし、Surface(と、その形態を真似た様々なメーカーのノート)を、タブレットメインで使っている人はほとんどいないはずだ。取り外し可能なキーボードと、背面にキックスタンドを持つマイクロソフトが発明した形状は、「Surface型」とでも言うべき新カテゴリと考えたほうがしっくりくる。
2017年にふさわしい最新性能
Surface Proのスペックと価格はどうなったか。CPUはすべてインテルの第7世代Coreシリーズ。CPU違いやSSDやメモリーの容量違いで全6モデルがあり、最も安価な799ドルモデルはCore m3。ビジネス向けに最も売れそうなCore i5、メモリー8GB、SSD256GBのモデルは1299ドル(約14万5000円)。いずれもOSはWindows 10 Proになる。
気になるバッテリー駆動時間は、Pro4比で1.5倍の向上になる最大13.5時間駆動になっている。本体サイズはPro4とはほぼ変化がなく厚みはむしろ微妙に薄くなっているほどだから、バッテリー駆動時間アップはCPUなど含めた省電力化のおかげだろう。液晶ディスプレイのサイズと解像度は従来のPro4から変化はなく、12.3インチ(2736x1824ドット)だ。なお、内蔵グラフィックがCPUによって変わり、Core m3モデルはIntel HD Graphic 615、Core i5モデルは同620、Core i7モデルは同640になっている。
重量はCore m3モデルが約766g、Core i5/i7モデルが20g重い約786g(タイプカバー除く)。この数値は、Pro4から一切変化がない。
Surfaceユーザーにはお馴染みの注意点「キーボード(タイプカバー)とスタイラスペンは別売」については、今回も同じだ。ただし、米マイクロソフトが米Business Insiderに語ったところによると、どうやら新キーボードは従来よりも設計が熟成されキーに対する反応も良くなっているらしい。また、スタイラスペンについても感圧能力が向上しているという。価格は、タイプカバーが159ドル(約1万7800円)、スタイラスは99ドル(約1万1000円)。
新型タイプカバーは159ドル。Pro4との互換性があるのかは未確認。
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スタイラスは99ドル。赤色などカラバリが増えたのは、キーボードと色を合わせたかった人にはうれしいところ。
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さて、日本での注目はやはり、日本マイクロソフトが5月26日(金)に予定している国内発表会だろう。その場でこのSurface Proが登場する可能性はかなり高い。日本版の価格がいくらになるのか、またChromebook対抗の「Surface Laptop」も登場するのか? 興味深い。
(*編集部より:本体重量の情報を追加しました。 2017年5月24日10時)