Uber
経理のミスにより、Uberがニューヨーク市のドライバーから数年にわたって手数料を過徴収していたことが発覚した。
Uberは23日火曜日、ニューヨーク市でUber利用者がドライバーに支払った料金から、手数料を多く取りすぎていたことを認め、合計数千万ドルにのぼる過徴収金をドライバーに返還すると発表。ドライバーは平均900ドル(約10万円)程度を受け取る見込みだ。
米国・カナダ地域ゼネラルマネジャーのレイチェル・ホルト( Rachel Holt )氏は「できるだけ早く、全てのドライバーに対し正当な報酬を利息をつけて返還する」と声明を出し、「透明性を高め、約束したことを忠実に守り、Uberの利用を最初から最後までより良いものにしていくことで、ドライバーの方々の信頼を取り戻す」と語った。
この経理ミスの原因は2014年のサービス規約改訂にさかのぼる。Uberは1回の乗車につき消費税や諸経費などを含めない「ネット価格」から約25%の手数料を徴収するとしたが、ニューヨーク市では消費税やドライバーの補償金を含む「グロス価格」を基礎に、手数料を算出していた。経済メディア「Quartz」の試算によると、Uberは手数料を2.6%余分に徴収していたという。
このミスは、最近の「ルートベースの料金体系」導入に伴うサービス規約の改訂の際に発見された。ルートベースの料金体系は、目的地によって事前にルートと料金が提示されるシステムで、これまでに比べ運賃が高くなるケースがあるため、論議を呼んでいる。
Uberは過去2年半にドライバーとして働いた全ての人に通知を送付。90日以内に一度でも勤務したドライバーは過徴収金が口座に直接振り込まれる。ここ3カ月間働いていない場合は、Uberに登録している銀行口座情報に変更がないか届け出が必要だという。
この経理ミスはトラブル続きのUberにとって新たな打撃だ。グーグルが起こした自動運転車訴訟をはじめ、職場でのハラスメント疑惑の調査結果も間もなく出る。何かと挑発的なCEOトラビス・カラニック( Travis Kalanick )氏を抑えられるCOO探しも難航している。
(翻訳:十河亜矢子)