AI銘柄NVIDIA株、空売りするヘッジファンド VS. 買うミレニアル投資家 —— 米国最新事情

NVIDIAの自動運転者BB8

AI銘柄として株価急騰中のNVIDIA。写真は同社が自社イベント「GTC 2017」で展示したAI自動運転システムの開発・テスト車。笠原一輝氏によるNVIDIAとトヨタ提携の詳細解説は写真をタップ。

撮影:笠原一輝

  • NVIDIA株は昨年のアメリカ大統領選挙以来95%急騰、この期間を通じてS&P 500種構成銘柄の最優良株となった。現在、ヘッジファンドとミレニアル世代の投資家の間で、NVIDIA株価の今後の見通しで意見が分かれている。
  • NVIDIA株は、空売り総額から判断すると、ヘッジファンドから最も多く空売りされている株式銘柄の中で第4位を占める。ゴールドマン・サックスの調査から明らかになった。(「空売り」とは、証券会社に保証金を預け、他から株式を借りて市場で売ること。近い将来に株価の下落を予想するトレーダーや投資家が、現在の株価で売り、将来値下がりした時点で買い、借りていた株を返却するトレード方法)
  • 同時にNVIDIA株は、ミレニアル世代の投資家が最も多く保有している銘柄の中で第6位であることが、手数料ゼロで株式売買を行えるアプリ「Robinhood」で判明した。

昨年のアメリカ大統領選挙以来、この最優良株をめぐってバトルが起きている。

注目の会社は、グラフィックスチップメーカーNVIDIAだ。昨年11月8日以来、同社は格別に魅力的な存在となってきた。同社の株価は当時から現時点までに95%高騰し、S&P 500種構成銘柄の中で値上がり率トップとなった。同指標を30パーセンテージ・ポイント上回っている。

その一方で、NVIDIA株は、機関投資家などから下落傾向がある銘柄と見なされてきた。その背景には、およそ30億ドル(約3400億円)に上るヘッジファンドの空売りがある。ゴールドマン・サックスが分析する銘柄の中で、このNVIDIA株の空売り総額は4番目に高い。合算1兆9000億ドル(約212兆3800億円)を有する821のファンドをくまなく調べた結果だという。

しかし同時に、NVIDIA株はミレニアル世代の投資家に好まれる銘柄の一つだ。株取引スタートアップ企業Robinhoodによると、同社のプラットフォーム全体で、NVIDIA株は最も多く所有されている株の中で第6位の座についているという。

さらに、オプショントレーダーはこの非常に高い評価をとくに懸念してはいないようだ。

オプショントレーダーが、今後3カ月間でNVIDIA株が10%下落した場合のリスクヘッジとして支払っているコストは、過去3年近くのうちで最低レベルだ。それとは対照的に、10%上昇の可能性には期待が集まっていることが、ブルームバーグのデータから分かる。実際、トレーダーは現在、損失のヘッジよりも利益獲得を狙って資金を投じている。

NVIDIA株価の推移(3カ月間)

Business Insider / Joe Ciolli, data from Bloomberg


またアメリカ大統領選挙以来テック業界全体の株価が概して上昇してきた一方、NVIDIAの株価は同社製品の強みやミレニアル世代の人気だけでは説明できないほど高まっている。5月24日水曜日、ソフトバンクがNVIDIAへ40億ドル(約4500億円)を投資することを発表すると、NVIDIAの株価は3%上昇した。

さらにNVIDIAが今月上旬に驚きの収益報告を発表したところ、同社株は6カ月間最高の上げ幅18%で急上昇。同社株は、主要なクラウドコンピューティング・プロバイダーのデータセンターで使用されている同社のチップに対する強い需要に支えられている。

大手機関投資家と個人投資家の間で展望がこれほど食い違うことは、株式市場では別段新しいことではない。このいわば綱引き状態は、ちょうどNVIDIA株で生じたように株価が急騰するときによく見られる。

短期間で利益が得られるだろうと考える投資家が存在する一方で、それは過大評価なのではと注意深い見方を持つ投資家たちが混在している。結局のところ、力がせめぎあう状態は市場にとって健全である。しかし、うわついた高揚感が絶頂に達している時、大きなショックに市場は最も敏感になるだろう。

Nvidiaの最新株価情報はこちら(英語)。

[原文:Hedge funds are betting billions that a stock loved by millennials will plummet

(翻訳:原口 昇平)

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