フリーランスで働く女性は日本人平均より人生満足度が高いって本当?

交差点を渡る、働く女性たち

会社員とフリーランスで人生満足度に差はあるのか

撮影:今村拓馬

フリーランスで働く女性の人生満足度は、日本人平均を大きく上回る——。

フリーランスの総合職女性と企業のマッチングサービスを行うWaris(東京都港区)が、科学的アプローチで幸せの研究をする慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科委員長の前野隆司教授の協力で実施した「活躍フリーランスの幸せ度実態調査」で、こんな結果が明らかになった。

Warisの実態調査によると、今回の調査対象となったフリーランス女性の人生満足度の平均は25.9点で、日本人平均値の18.9を大きく上回ったという。調査には、5つの質問への回答の結果から35点を満点とする「人生満足尺度」という指標を用いた。

「なりたかった自分」になれるかどうか

調査ではさらに、人生満足尺度の得点を「やってみよう(自己実現と成長)」「ありがとう(つながりと感謝)」「なんとかなる(前向きと楽観)」「あなたらしく(独立とマイペース)」の4因子に分類。どの因子が満足尺度に、より影響しているのかを測定したところ、満足度の高いグループと低いグループで大きな差がみられたのは「やってみよう因子」だったという。

やってみよう因子を構成する質問の内訳をみると「今の自分は『本当になりたかった自分』である」との質問で、満足度の高いグループでは得点が高く、満足度の低いグループでは得点が低くなり、もっとも差が大きく出た。続いて「私のこれまでの人生は、変化、学習、成長に満ちていた」でも、同様に両グループでの差が大きかった。

一方、人生満足尺度と年収の関係を調べたところ、年収400万円を超える層には、人生満足尺度が「かなり低くなる人(15点以下)は見られなかった。とはいえ「全体をみると、年収が高くなるほどに人生満足尺度が向上するという相関はみられない」(Waris)としている。働く時間の長短についても、人生満足度尺度との明確な相関関係は、みられなかったという。

Warisでは調査結果を踏まえて収入や時間よりも「ありたい姿やビジョンが明確で『今の自分がなりたかった自分かどうか』が、幸せに働くカギになるといえるのでは」と、分析している。

企業は幸福度にも注目すべき

今回調査は、Warisの登録会員を中心に、インターネットで回答者を募集。155人から回答を得た。配偶者のいる女性が8割という。

調査に協力した、慶應大大学院の前野教授は「夫の収入があって、子どもがいてという、いろんな条件の整っている人がさらに自由に働いている。つまり世帯収入をみたら、かなり安定しているのでは」と、調査対象者の傾向を指摘しながらも、フリーランス女性の幸福度が高く出たことに注目。「幸福度が仕事の成果に比例するという研究はたくさんある。企業は福利厚生や待遇など個別の要素に目を向けがちだが、もっと幸福度にも目を向けていきたい」と話した。

Warisは2013年創業で、総合職や専門職の経験のある女性を、業務委託契約を中心に企業に紹介するサービスを手がけている。現在、3600人の登録者を持ち、顧客数は約1200社。登録者の7〜8割が母親で、子育てを理由に離職した女性の活用で実績をもつ。

ネット上でフリーランスに仕事のマッチングを行うクラウドソーシングサービスのランサーズ調査によると、日本で広義のフリーランス人口は1122万人に達した。ただ、労働法の適用外とされる働き方にはリスクも伴う。Warisの今回調査では、回答者の多くが、稼ぎ手と想定される配偶者がいるし、人事や法務、マーケティングなどの“プロスキル”を身につけた人だった。このためリスクの大きな要素である、収入の不安定さや、そもそも仕事がないなどの影響が調査結果に出にくいのは事実だろう。

とはいえ、自分の望む「働き方」ができることが、人生満足度を高めることは多いに注目すべきだ。Waris回答者の体現する「収入のリスク分散やスキルのあるフリーランス」に、これからの働き方のヒントがあるのかもしれない。

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