アメリカ企業が保有していない12の「アメリカン・ブランド」

メイド・イン・アメリカのマーク

Getty/Sean Gallup

バーガー・キングの「ワッパー」にかぶりつき、よく冷えた「バドワイザー」を流し込む。かつては最高に「アメリカン」なことだった。

だが、もうそれは過去の話。 時代は変わり、外国の企業に買収された、元「有名アメリカブランド」もちらほらある。

厳密には「アメリカン・ブランド」と呼べなくなった人気ブランドを紹介しよう。

バドワイザー

バドワイザーの缶

Thomson Reuters

現在の所有会社:ベルギーのビール大手Anheuser-Busch InBev

バドワイザーのリブランディングに惑わされないように。缶には「アメリカ」と書いてあるかもしれないが、バドワイザーは今やベルギー企業の傘下にある。

バドワイザーの起源は1850年代にまでさかのぼる。ドイツ人アドルファス・ブッシュ(Adolphus Busch)氏が米ミズーリ州セントルイスに移住し、当地のビール醸造業者エーベルハルト・アンハイザー(Eberhard Anheuser)氏 の娘と結婚したのが始まりだ。二人は共同経営者になったが、結局はブッシュ氏が事業を完全に引き継いだ。そしておなじみのあの軽くてすっきりした味わいのラガービールを生み出し、セントルイスの小さな醸造所をアメリカ最大のビールメーカーAnheuser-Buschへと成長させた。

2008年、Anheuser-BuschはベルギーのビールグループInBevに520億ドル(約5兆7000億円)で買収され、Anheuser-Busch InBevが誕生した。

ベン&ジェリーズ

ベン&ジェリーのアイス

Creative Tools/Flickr Creative Commons

現在の所有会社:イギリスとオランダを本拠とする家庭用品大手ユニリーバ

アメリカの代表的アイスクリームブランド、ベン&ジェリーズを始めたのはベン・コーヘン(Ben Cohen)氏とその親友ジェリー・グリーンフィールド(Jerry Greenfield)氏。二人は古いガソリンスタンドを買い取って、アイスクリームショップに改装した。1978年のことだ

2000年、家庭用品の多国籍企業ユニリーバに3億2600万ドルで買収された。

バーガーキング

バーガーキングのチーズバーガー

Facebook/Burger King

現在の所有会社:カナダのファストフード企業Restaurant Brands International

1954年、ジェームス・マクラモア(James McLamore)氏とデイビッド・エジャートン(David Edgerton)氏は、「インスタ・バーガーキング(Insta Burger King)」という名の小さなハンバーガーショップをフロリダ州マイアミに開いた。当時のメニューはハンバーガーとミルクシェイク、ともに18セント(現在の1ドル62セント、約180円相当)。3年後に店名から「インスタ」を外し、ガスグリルを導入。主力商品「ワッパー」を生み出した。

1967年、二人はバーガーキング・チェーンをピルズベリー(Pillsbury Company)に売却。マクドナルドに次いでアメリカで2番目に大きいハンバーガーチェーンとなった。それから数十年間、M&Aで所有者が何度か変わった後で、バーガーキングは2006年に株式公開2010年にプライベート・エクイティ会社3G Capitalに買収されて非上場会社となったが、2012年に再上場した。

現在、バーガーキングはカナダのファストフード企業Restaurant Brands Internationalの傘下にある。この企業は、バーガーキングがカナダのドーナツ&コーヒーチェーンTim Horton’sと合併した際に、両社の親会社として設立された。依然として3G Capitalの支配下にある。

Trader Joe's

Trader Joe's

Roman Tiraspolsky / Shutterstock.com

現在の所有会社:ドイツ系ディスカウントスーパーマーケット大手、アルディ・ノルト(Aldi Nord)

食料品大手Trader Joe'sの始まりは1967年にさかのぼる。当時、カルフォルニアに本拠を置くコンビニエンスストアのオーナー、ジョー・コロンビー(Joe Coulombe)氏は、迫りくるセブン-イレブンとの競争を勝ち抜くため、無名あるいは生産中止の食料品の仕入れを始めた。

Trader Joe's1号店は今もカリフォルニア州で営業中。しかし事業はすでに人手に渡っている。1979年、ドイツ系スーパーマーケット大手アルディ・ノルトのオーナー(当時)テオ・アルブレヒト(Theo Albrecht)氏に買収された

ラッキーストライク

ラッキーストライクのパッケージ

Shutterstock/Lenscap Photography

現在の所有会社:イギリスのたばこ大手、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(British American Tobacco)

ラッキーストライクは、かつて最もよく売れたアメリカのたばこブランド。1871年にバージニア州で誕生し、その後American Tobacco Companyに買収された。

1994年、American Tobacco Companyがイギリスのブリティッシュ・アメリカン・タバコ(British American Tobacco)に買収され、ラッキーストライクはイギリス企業のブランドとなった。

GE(家電部門)

ゼネラルエレクトリックの看板

Wikimedia

現在の所有会社:中国の家電メーカー、ハイアール(英:Haier)

GE(ゼネラル・エレクトリック)の家電は、100年以上にわたり、アメリカの消費者にとって欠かせないものであり続け、「メイド・イン・アメリカ」のマークが特別感を加えてもいた。

だが中国の家電メーカー、ハイアールが2016年にGEの家電事業を54億ドルで買収したことで、状況は変わりそうだ。

American Apparel

American Apparelの店舗

Shutterstock/Tupungato

現在の所有会社:カナダのアパレルメーカーGildan Activewear

カリフォルニア発のブランドAmerican Apparelは、「メイド・イン・アメリカ、スウェットショップ・フリー(アメリカ製であり、貧困国の労働者を劣悪な条件で働かせる衣類工場の製品ではない)」のスローガンで有名になった。北米最大の衣料品メーカーという看板を掲げていた同社のビジネスモデルは20年以上順調だったが、2015年に破産申請。その後2年を費やして再建を試みたが、うまく行かなかった。

2017年1月、知的財産権と一部製造設備をカナダのアパレルメーカーGildan Activewear8800万ドルで買い取られた。

French's

French'sのマスタード

Shutterstock/Christopher Gardiner

現在の所有会社:イギリスの日用品メーカー 、レキット・ベンキーザー(Reckitt Benckiser Group Plc)

French'sのマスタードは、1904年のセントルイス万国博覧会の会場隅に登場した。創業者R・T・フレンチ(R. T. French)氏の2人の息子が、この新作マスタードをホットドッグにかけて提供したのだ。会社が買収されるまでにあまり長い歳月はかからなかった。同社は1926年、イギリス企業に売却された。

現在、French'sはレキット・ベンキーザー・グループ(Reckitt Benckiser Group Plc)の傘下にある。同社は他にも、コンドームのDurex、のどあめのStrepsilsなどメジャーなブランドを所有している。

セブン-イレブン

セブン-イレブンの店舗

Shutterstock/Tupungato

現在の所有会社:日本の流通大手セブン&アイ・ホールディングス

現在のコンビニエンスストアがあるのは、ジェファーソン・グリーン(Jefferson Green)氏のおかげだ。セブン-イレブン公式サイトによると、1927年、当時のアメリカでは日曜日と祝日はどの店も閉まっていたが、サウスランド・アイス(Southland Ice)の従業員だったグリーン氏はその氷小売店で日曜日や祝日にミルク、パン、卵を売り始めたのだ。1946年、朝7時~夜11時という新しい営業時間にちなんで、店名がセブン-イレブンに変更された。これが今日の24時間営業のコンビニエンスストアの基盤になった。

1987年のブラックマンデーを経て、会社はイトーヨーカ堂に買収された。現在ではともに日本の流通大手セブン&アイ・ホールディングスの子会社となっている。

Sunglass Hut

Sunglass Hutの店舗

Shutterstock/Heather Shimmin

現在の所有会社:イタリアの大手アイウェア企業Luxottica Group

Sunglass Hutの歴史は、1971年、検眼士サンフォード・ジフ(Sanford Ziff)氏がマイアミ市のモールに小さな売店を開いたところから始まる。1986年までに100店舗に拡大。1991年、ジフ家は事業を完全に手放した。

現在は、イタリアのアイウェア大手Luxottica Groupの傘下にある。同社はSunglass Hutを2001年に4億6200万ドルで買収した。

ホリデイ・イン

ホリデイ・インのホテル

Shutterstock/Jonathan Weiss

現在の所有会社:イギリスのホテル大手、インターコンチネンタル・ホテルズ・グループ(InterContinental Hotels Group)

最初のホリデイ・イン(Holiday Inn)は、実業家ケモンズ・ウィルソン(Kemmons Wilson)氏がテネシー州メンフィス市にオープンした。同氏が創業を思いついたきっかけは、ワシントンD.C.への家族旅行中に、家族連れにとって快適で手頃な宿泊施設が見当たらなかったことだ。事業は、1988~1990年にインターコンチネンタル・ホテルズ・グループ(IHG)に買収され、今日に至るまで同グループ傘下にある。

Hellman’s

Hellmann'sのマヨネーズ

Flickr/James Stewart

現在の親会社:イギリスとオランダを拠点とする家庭用品大手ユニリーバ

マヨネーズのルーツはフランスにあるかもしれないが、それをアメリカのキッチンに欠かせない調味料として普及させたのはHellman'sだ。1903年、ドイツ人移民のリチャード・ヘルマン(Richard Hellman)氏が、ニューヨーク市にデリカテッセン(惣菜販売店)をオープンした。すると自家製マヨネーズが大好評となったので、マヨネーズ単体での販売を開始したのだった。

1932年、西海岸のマヨネーズブランドBest Foodsに買収された。そのBest Foodsを2000年、家庭用品大手ユニリーバが203億ドルで買収した。今日まで、Hellman'sとBest Foodsは別々に展開されている。ロッキー山脈の東側ではHellman's、西側ではBest Foodsのマヨネーズが販売されている

写真:Getty/Sean Gallup、Creative Tools/Flickr Creative CommonsFacebook/Burger King、Roman Tiraspolsky / Shutterstock.com、Shutterstock/Lenscap Photography、 Wikimedia、Shutterstock/Tupungato、Shutterstock/Christopher Gardiner、Shutterstock/Heather Shimmin、Shutterstock/Jonathan Weiss、 Flickr/James Stewart


[原文:12 American companies that are no longer American

(翻訳:Yuta Machida)

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