アメリカで注目の「デカコーン」7社 —— 企業価値1兆円超のスタートアップが続出

ユニコーンのイメージ

Alan Levine / Flickr

ここ数年、短期間で評価額が「a billion dollars」、すわなち10億ドル(約1100億円)を超えるユニコーン企業がいくつも出現した。

そして、ユニコーンが珍しくなくなった今、新たな基準を備えたスタートアップ企業が登場している。評価額100億ドル以上の「デカコーン(decacorn)」だ。

デカコーンの代表は、Uber(ウーバー)やAirbnb(エアビーアンドビー)。決して上場せず、高まる評価額をもとにさらなる資金を調達している。

アメリカのデカコーン7社を評価額順に見ていこう。

※編集部注:デカコーン(decacorn)はブルームバーグの造語。deca(10、10個でひとつ、などの意味)とunicornを組み合わせたものと思われる。


7位 Dropbox(ドロップボックス)

CEOドリュー・ヒューストン(Drew Houston)氏

Drew Angerer/Getty Images

評価額:100億ドル

CEO:ドリュー・ヒューストン(Drew Houston)氏

Dropboxは2014年、6億1700万ドルを調達し、評価額100億ドルに達した。以降、サービスをビジネスユーザー向けに絞り、昨年、Dropbox Enterpriseをローンチした

2016年には、年間1人あたり2万5000ドル(約270万円)ともいわれた気前の良いボーナスの削減に着手。同社は財務データを公表していないが、昨年の売上高は5億ドル以上とされる。CEOドリュー・ヒューストン氏は6月、キャッシュフローは良好と語り、急成長した同社が一つの節目に達したことを示した。

年内にはDropboxが上場するとの観測も出ている

6位 Pinterest(ピンタレスト)

CEO:ベン・シルバーマン (Ben Silbermann)氏

John Lamparski/Getty

評価額:110億ドル

CEO:ベン・シルバーマンBen Silbermann)氏

2015年5月、アンドリーセン・ホロウィッツ、ファーストマーク、ゴールドマン・サックスなどから5億3300万ドルを調達、同社の評価額は110億ドルに達した

月間アクティブユーザー数は1億7500万人以上。その半数以上はアメリカ国外のユーザーだ。ここ数カ月はイギリス、フランス、ドイツ、日本、ブラジルなど海外市場での展開に注力し、広告収入の増加に取り組んでいる。昨年8月には、オンラインブックマークサービスのInstapaperを買収した

2016年には同社が上場するとの観測が流れ、同年10月には同社初のCFO(最高財務責任者)が指名されたことから、上場はまもなくと見られている。

5位 Space X(スペースX)

CEO:イーロン・マスク(Elon Musk)氏

TED

評価額:120億ドル

CEO:イーロン・マスク(Elon Musk)氏

2015年、フィデリティとグーグルから10億ドルを調達し、評価額は120億ドルに達した。

それから1年経たずのうちに同社は「ファルコン9」ロケットを打ち上げ、人工衛星を軌道に乗せた後、ロケットを安全に地上に着陸させるという歴史的な偉業を成し遂げた。高価な打ち上げロケットを打ち上げ後、海に落下させるのではなく、再利用できることを証明したのだ

しかし、2016年は同社にとって厳しい年となった。9月、打ち上げ試験中にロケットが爆発し、Facebookが使用するはずだった人工衛星が破壊された。以降、大型ロケット「ファルコン・ヘビー」の計画は遅れ、NASAの宇宙飛行士が乗る有人ロケットのデビューは2018年になりそうだ


4位 WeWork(ウィーワーク)

創業者:ミゲル・マッケルビー(Miguel McKelvey)氏、アダム・ニューマン (Adam Neumann)氏

Business Insider

評価額:180億ドル

創業者:ミゲル・マッケルビー(Miguel McKelvey)氏、アダム・ニューマンAdam Neumann)氏

コワーキングスペースのスタートアップ WeWorkは、今年3月、ソフトバンクから3億ドルを調達し、評価額180億ドルに達した。

フォーチュンによると、WeWorkは2017年に上場する見通しで、数社の企業買収計画も進めているようだ。

3位 Palantir(パランティア)

CEO:アレックス・カープ(Alex Karp)氏

Getty / Drew Angerer

評価額:200億ドル

CEO:アレックス・カープ(Alex Karp)氏

Palantirは20億ドルを調達し、昨年、評価額は200億ドルに達した。しかし、2015年に17億ドルの売り上げを「計上」したと報じられたが、まだ、利益は出ていないと見られている。

秘密主義的な同社は昨年6月、2億2500万ドル相当の自社株を彼らの沈黙と引き換えに従業員から買い戻したと報じられた。

CIAのベンチャーキャピタルから支援を受けているPalantirは、政府の仕事をしていると言われ、エドワード・スノーデン氏による政府スパイ活動の暴露の中で、同社の関与が指摘されたこともある。また、オサマ・ビン・ラディンの居場所の特定や、ボストンマラソンの爆弾犯を見つけ出すために、顔認証システムを利用して膨大なビデオデータをチェック、警察に協力したと言われる。

しかし、最近は労働省との間に問題を抱えている。アジア系エンジニアに対して差別的な雇用慣行があると疑われたのだ。同社は該当する従業員に対して、165万9434ドルを未払い賃金分およびストックオプションで支払うことで合意した

2位 Airbnb(エアビーアンドビー)

創業メンバーの3人

Mike Windle/Getty

評価額:310億ドル

CEO:ブライアン・チェスキー(Brian Chesky)氏

プロダクトチーフ:ジョー・ゲビア(Joe Gebbia)氏

CTO:ネイサン・ブレチャーチャイク(Nathan Blecharczyk)氏

Airbnbにとって2016年は厳しい年だった。

同社は昨年、サンフランシスコニューヨークの訴訟で敗訴した。しかし一方で8億5000万ドルを調達し、フルサービスの旅行関連企業を目指して、11月にはTripsという新サービスを開始した

さらに2017年3月に、10億ドルを調達し、評価額は310億ドルに達した。現在Airbnbは、「直接上場(direct listing)」と呼ばれる異例の上場方法を検討しているスポティファイの動きを注視していると伝えられており、成り行き次第では、同社も同じ方法で上場すると見られている。

1位 Uber(ウーバー)

CEO:トラビス・カラニック(Travis Kalanick)氏

REUTERS/Danish Siddiqui

評価額:680億ドル(約7兆5000億円)

CEO:トラビス・カラニック(Travis Kalanick)氏

ウーバーは、アメリカはもちろん、世界的に最も評価額の高いスタートアップ企業だ。最大のライバルDidi Chuxing(滴滴出行)に200億ドル近くの差をつけている。

同社はここ数年で、サウジアラビアの投資ファンドから35億ドルレバレッジ・ローンで20億ドルなど、数十億ドル規模の調達を行ってきた。ウーバーは5月、2017年第1四半期の損失を7億800万ドルと発表。前の3カ月の損失額9億9100万ドルから多少回復した。また同社は上場企業での経験をもつ新たなCFOを探しており、上場を検討していると見られている。

財務状況はさておき、2017年はウーバーにとって波乱の年だ。性差別やセクシャルハラスメント、相次ぐ役員の辞任に加え、グーグルから独立した自動運転車のスタートアップWaymo(ウェイモ)からは技術盗用で訴えられ、厳しい裁判となっている。

[原文:THE $10 BILLION CLUB: Meet the 7 most valuable startups in the US

(翻訳:十河亜矢子)

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